おやつに罪悪感を抱く人に、いかに楽しさ、美味しさを伝えるか?

音でおいしさを伝える

——お菓子の魅力である「おいしさ」をどうやって伝えていくかも鍵ですね。

林: 味を言葉で表現することはつくづく難しいと感じているので、最近は口に入れた時に感じる食感をいかに伝えるかに注力しています。バランス栄養食系商品では「サクサク」や「ザクザク」など、できるだけ音で食感が伝わるように工夫しています。

山村: 全く同感です。日本には食感を表現する言葉が445通りもあるそうです。この数字は、中国語や英語に比べるとダントツです。それだけ日本人は食感に敏感だということです。そこでカルビーでは、食感を商品開発やコミュニケーションに生かす「いい音食べようカルビー」と題したコミュニケーションやプロモーションをスタートしました。悩ましいのは、カルビーライト!やベジップスの機能や特性を伝えようとすると、お菓子を食べる楽しさやおいしさから離れていってしまうことです。

林: “ヘルシー”と“おいしさ”の両立は非常に難しい。お客さまに機能性を伝えるには、やはり定量的な数字が一番伝わりやすいでしょう。特に0とか100%という数字は強い印象を与えられる。「クリーム玄米ブラン」は、「ザクザク食感25%増量」「食物繊維1/3日分」などの数字で機能とおいしさを表現しています。ところで、カルビーさんは小学校でおやつの食育をされていますよね。

山村: 昨年度のスナックスクールは約800校を訪問し、6万人ほどの参加をいただきました。スクールでは、小学生はお菓子が1日のカロリー摂取量の10%を超えてはいけないとか、塩分が高いイメージのあるポテトチップスですが、実は他の食品と比べてもそれほど高くないとか、適量を楽しく食べていただくことを伝えています。好評で、2004年から累計約50万人の方の参加があります。

——お菓子市場活性化のために今後どのようなコミュニケーション活動を強化したいですか。

山村: 売り場が楽しくなり、お店の売上向上に貢献できるような店頭プロモーションをやっていきたいですね。現在、ビートたけしさん作・さくらももこさん画のアニメコンテンツ「カルビーひとくち劇場」を展開しており、先日はLINEマンガでさくらももこさんのオリジナルマンガを配信しました。このコンテンツを育てて、楽しい売り場を演出していければと考えています。

林: 今後増加する職場をリタイアされた方々と、当社の未来を支える新たに社会人になる方々をどう捉えていくか。この二つが大きな課題です。

山村: 今日のお話を通して、市場を創造する重要性を改めて痛感しました。


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AdverTimes DAYS 2015
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4月14日、15日、東京国際フォーラムにて「AdverTimes DAYS」(アドタイ・デイズ)を開催しました。 広告界の未来を本音で語りつくす本イベントでは、企業、広告会社、メディア、クリエイターなど、立場の異なる人たちが活気ある議論を展開します。

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