モバイルショッピングは時短が目的
これまでは、オンラインショッピングは画面サイズなどの使い勝手から、PC のほうが利用しやすいと考えられてきた。しかし、商品の閲覧だけのユーザーも含めると、すでにスマートフォンからの利用者数が、PC からの利用者数を上回っている。では、商品の購入においても、スマートフォンの利用が拡大してきているのだろうか。
PCとスマートフォンの主要ECサイトからの総購入回数を2014年1-3月と2014年10-12月で比較した結果が図3である。PCの増加率は-1%で微減となっている一方、スマートフォンでは、購入回数が13%増加している。スマートフォン利用者の増加と共にモバイルショッピングが拡大していることがわかる。
次にモバイルショッピングでの購入者の特徴を見ると、スマートフォンからの購入者は女性が約70%を占めている(図4)。スマートフォン利用者全体の男女比がおおよそ半々となっていることを踏まえると、女性がモバイルショッピングを大きく牽引している様子がうかがえる。また、年代別に見たときに、購入者の割合が高いのは、PCでは40-49歳であるのに対し、スマートフォンでは25-34歳となっている。
では、女性はなぜスマートフォンで購入するのか。購入時にスマートフォンを利用する一番の理由を男女間で比べると、男性、女性ともに半数近いユーザーが「買いたいと思った時、いつでも購入できる」から、と回答している(図5)。その他、女性は「空いた時間に購入できる」ことを理由としている人も多い。いつでも買えるという「即時性」や、空き時間を無駄にしない「時短」にメリットを感じて、スマートフォンで購入していることがわかる。
女性は男性に比べスマートフォンの利用時間が長く、特に若年層ほどその傾向が強くなる。長時間スマートフォンを利用している女性にとっては、何かを買いたいと思ったときに、いつも手元にあるスマートフォンで買い物をするという行動は、自然な流れとなってきていると言える。
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