若年女性にフリマアプリが浸透
スマートフォンからの各種サービスの利用を性年代ごとに比べると、若年層の女性の間で長時間利用されているサービスがある。オークションやフリマサービスだ。特にフリマアプリは2014年に急増したサービスの一つである。2013年後半にサービスを開始したメルカリやFril(フリル)は、急速に若い女性の間に浸透し、1年後には、メルカリは360 万人、Frilは220万人が利用するサービスにまで成長した(図6)。いつでもどこでも取引状況を確認でき、出品する商品の写真をスマートフォンで撮って、そのままアップできるというサービスの特徴は、非常にスマートフォンと相性が良かったといえる。
こうした新しいサービスの利用が拡大することで、これまでオンラインショッピングに抵抗のあったユーザー層がオンラインショッピングを利用し始めたり、個人間取引が拡大し店舗からの購入が減少したりする可能性も考えられる。今後のオンラインショッピングの動向を把握するうえで、フリマアプリ市場の動向は注視していく必要があるだろう。
PCではじっくり時間をかけて
スマートフォンを中心に、オンラインショッピングの利用状況を見てきたが、買い物をする際、両デバイスの利用方法には違いはあるのだろうか?
まず、特定の商品を購入する一連の行動のなかで、閲覧と購入で異なるデバイスを利用している状況を見ると、スマートフォンでチェックした商品をPCから購入するケースが最も多くなっている(図7)。スマートフォンから購入する割合が増えてきているものの、最後の購入の場面では、依然PC を利用する人が多い。
また、購入時の行動を見ると、スマートフォンでは利用開始から購入までの時間が20分なのに対して、PCではその2倍以上の45分となっている(図8)。また、その間に利用したサイト数はPCの方が平均して約1 サイト多くなっている。PCは商品の詳細な情報を確認しやすく、複数サイトを開いて比較しやすいため、比較検討に時間をかけていることなどが影響していると考えられる。また、購入までの間にSNSを利用していた人は、それぞれのデバイスで40%程度となっている。
「100万社のマーケティング Vol.3」発売
詳細はこちら ▶