購買行動のデジタルシフト&スマホシフト 最新動向レポート——ニールセン

今後のオンラインショッピングの動向について

最後に、今後オンラインショッピング市場に参入する事業者や、自社製品の販売での活用を検討している事業者がどういった点に気を付けるべきか、考えてみたい。

スマートフォンは今後も利用者数、利用時間ともに増加していくことが予想される。画面サイズの大きな機種も増えていることを考えると、いつでもどこでも利用できるスマートフォンからの買い物は今後も拡大していくと予想できる。一方で、PCは複数のサイトを比較しやすく、初めて購入する商品や高額の商品など、さまざまな情報を比較して購入したい場合などには、今後も活用されていくだろう。どちらのデバイスに注力すべきかは、簡単には判断できない。そのため、まずは、自社が扱う商品の特徴や、購入者の属性、購入シーンなどを把握し、消費者がどのようなメリットを感じてデバイスやサービスを使い分けているのかを正確に把握していく必要がある。そのうえで、PCとスマートフォンのどちらに注力すべきか/アプリ開発に注力すべきなのか、という点を判断することが重要である。

また、オンラインショッピング以外のサービスの動向にも注意を払う必要がある。例えば、フリマアプリのように、ユーザーにとって便利なサービスが、オンライン市場で広く受け入れられる可能性は、今後も考えられる。また、オンラインで購入する前にSNSを利用している人が約40%いるが、SNSが商品を知るきっかけや、購入の後押しをするきっかけとなるケースもある。最近では、SNSで見た商品をそのサイト上で購入できるようにする機能も計画されており、商品の認知から購入に至るまでの購買行動が大きく変化する可能性もある。

このような消費者の購買行動の変化を、自社ビジネスのチャンスとするには、消費者が購買に至るまでの一連の行動を正確に把握し、消費者のアンメットニーズ(まだ満たされていないニーズ)を満たすサービスの提供に注力していくことが重要である。


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