愛犬と一緒に焼肉 成熟化の外食産業に独自視点で風穴開ける——アップストリーム

法規制がないからこそのノウハウ

現在、犬連れの客は全体の約9割。遠方から、わざわざ来店する客も多く「お代をいただいているのに、『こんなお店をつくってくれてありがとう』とお礼まで言われてしまうこともあり、始めてよかったなと思っています」と吉田氏。

一方で、これまで誰もやってこなかったビジネスにはハードルもある。「犬が嫌いという理由で、今でも怒って帰ってしまうお客さまはいらっしゃいます。『清潔ではなさそう』と言われることもしばしば。でも、僕たちのような中小企業はお金がないので、目立つためには工夫が必要。人が嫌がること、一見非常識と思われることを率先して、市場を切り開くのがベンチャー企業の経営スタイルだと考えています」。

誰もやっていなかったことに挑戦したからこそ、独自のノウハウも蓄積された。その一つが衛生管理のノウハウだ。「実は飲食店にペットを連れて入店することに関する法規則はないんです。管轄は各地域の保健所になりますが、そのエリアや担当者の見解で基準は変わってくるので、どんな見解を示されても対応できるだけの対策が必要です。基準がないからこそ、対応が難しい。そして、この対策のノウハウを蓄積できたことが、当社の優位性につながっています」と吉田氏は話す。

10年ほどの蓄積から、新規参入企業を圧倒できるほどの優位性を確保できた、と判断した吉田氏は、この1年ほどPR活動に力を入れている。「犬連れに関する法規制はないので、真似しようと思えば、すぐに真似できてしまうもの。そこで、他社が追いつけないレベルまでのノウハウを蓄積するまでは、積極的な対外発信は控えていた」のだと言う。

また吉田社長は、デジタルテクノロジーを取り入れたプロモーションにも積極的。取材当日には、「DUMPLING NEWYORK」にて …

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