ツイッターは5月27日、企業がTwitter利用者の情報を詳しく分析できるツールを発表した。約210兆円規模の米国消費者購買データを持つデータロジックスといった企業と提携し、世帯収入や資産、職業、食事から支持政党といった嗜好性も明らかにする。性別や年代、Twitter上の会話からテレビ番組のようなコンテンツの好みも割り出す。
Twitter上の広告(プロモツイート)の精度を高めたり、よりターゲット消費者に適したツイート(投稿)制作に活用する。当面は米国内の広告主企業が対象だが、ツイッターは数カ月以内に提供地域を広げる予定。
ターゲティングが“入口”なら“出口”、つまり成果の面からも、「オンライン広告をより効率的に運用したい」という気運は高まっている。それを反映するようにツイッターはこのほど、Twitter上の広告について「目的別課金モデル」を導入した。
「多くの利用者に投稿を広め、会話を促したい」「動画広告を視聴させたい」「見込み客を獲得したい」といった目的を定め、対応するユーザー行動が発生したタイミングで課金する(右表)。価格は、広告主の業種、広告する商品やサービス、クリエイティブ、ターゲティングなどの要素によって変わる。
米ピンタレストも今夏から、キャンペーンの目的を「認知向上」「意欲向上」「行動促進」の3つに分類した、新たな広告料金体系を導入する。
「認知向上」は表示あたりのインプレッション課金。「意欲向上」は、「エンゲージメント」ごとに課金する。エンゲージメントは、ブランドとの関係を深めたり、マーケティング活動への参加を指し、Twitterのリツイート(再投稿)にあたる「リピン」、画像を拡大する「クローズアップ」、クリック回数で計測する。「行動促進」は従来どおりのクリック数ごとのCPC課金か、商品購入や会員登録といった顧客獲得ごとのCPA課金とする。
各社とも、購買に至るまでの各段階(パーチェス・ファネル)ごとに見合う価格を設定して、オンライン広告にまだ慣れていない広告主の利用機会を増やす狙いがある。
一方、「ただちに料金体系を変更する計画はない」としたのは米フェイスブックだ。「現状でも、最大のパフォーマンス(効率)が得られるよう努めている」(フェイスブック・プラットフォーム商品開発部責任者のデボラ・リュー氏)。ただし、「フェイスブックは各社の動きを待ってから攻勢をかける傾向にあり、料金についても同様の動きを見せるかもしれない」(元ソーシャルメディア企業広告事業担当者)と見る向きもある。
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