スポーツで笑顔にする。ではなく、笑わせる。

スポーツで、人を笑わせる。

ゆるスポーツを創る際に心がけているポイントは
幾つもあるのですが、そのうちの一つがこちらです。

スポーツで笑顔にする。
ではなく、笑わせる。

スポーツには笑顔がつきものです。
でも僕は、より振り切って、
広告作業で培ったスキルをもとに、
スポーツで人を笑わせたいと考えています。

参加者も、観戦者も、笑えるスポーツ。
それは、特に参加者側の参加障壁を、
劇的に下げるからです。

以前にも紹介したハンドソープボールも、
まさしくそうです。
普通の球技だと、

ボールが手や足におさまらない=ミス

と捉えられて、チームメイトや観客から、
深いため息をつかれることになります。
僕はこの真綿で首をしめられるような嘆息に嫌気がさして
スポーツから逃げ出したようなものです。
ところがハンドソープボールでは、

ボールが手や足におさまらない=笑い

という構図を生んでいます。
何故ならボールを落とした瞬間に、
審判から無慈悲に「ワンソープ!」と宣告され、
ソーパーの元へとあたふた走らなければいけないからです。
その状況に、本人もお客さんも、ゲラゲラ笑います。
これは、もはやコメディです。
「失敗=悪」ではなく、
「失敗=人を笑わせる善」という
従来スポーツの真逆を行く構造を
意図して盛り込んでいます。

スポーツには緊張感がつきものです。
その合間にティーブレイクのごとく訪れる
ワンソープタイム。
それは先程ご説明した、
地獄から天国へ急上昇パターン
そのものです。
また、運動神経が普段はおそらく良いであろう人も含めて
手を滑らせている姿は、
身分の大逆転パターン
を満たしてもいます。
つまりハンドソープボールは、
僕がギャグCMを創るために体系化してきた
ギャグルールを元に創っている、
「ギャグスポーツ」なのです。

次ページ 「笑えるスポーツは量産できる。」へ続く

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澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)
澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

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