今後のコミュニケーションにおける動画の活用法を考える。
講演者
- 津田匡保氏(ネスレ日本株式会社 コンシューマーコミュニティ開発グループ マーケティング部 部長)
- 熊谷一廣氏(YKK株式会社 経営企画室 広報グループ 広報業務推進リーダー)
ブランドへの理解を深める動画の活用
——この1~2年、企業あるいはブランドがオリジナルの動画を制作し、ブランディングを図る傾向が見られます。現在展開している動画を制作した経緯と目的を教えてください。
津田:ネスレ日本では2009年に「ネスカフェゴールドブランドバリスタ」というコーヒーマシンを発売。現在、このカテゴリーでトップシェアにあります。このマシンを家庭だけではなく、さまざまなシーンで活用してもらいたいと考え、開発したビジネスモデルが「ネスカフェアンバサダー」です。ネスカフェアンバサダーになっていただくと、このコーヒーマシンをご自分の職場やコミュニティで無料で使っていただけるというサービスになります。このビジネスモデルをより多くの方々に広める仕組みとして制作したのが、本広克行監督によるコンセプトシネマ「踊る大宣伝会議、或いは私は如何にして踊るのを止めてゲームのルールを変えるに至ったか。」(以下、踊る大宣伝会議)です。
当社ではこれまでに有名映画監督とのコラボレーションによるオリジナル動画を紹介する「ネスレシアターオンYouTube」を展開してきましたが、もう一歩踏み込んでブランドの価値やビジョンを伝えていくための動画として「コンセプトシネマ」と名付けました。
「「踊る大宣伝会議、或いは私は如何にして踊るのを止めてゲームのルールを変えるに至ったか。」踊る大宣伝会議、或いは私は如何にして踊るのを止めてゲームのルールを変えるに至ったか。」
熊谷:当社は昨年、「FASTEING DAYS」という近未来が舞台のアニメーションムービーを、スタジオコロリドと一緒に制作しました。なぜ動画なのかという前に、その背景をご説明したいと思います。YKKはファスナー等を扱うファスニング事業を展開しており、。顧客は主に縫製産業で、基本的にはBtoBビジネスを展開しています。そんな私たちがなぜ動画を制作したのかといえば、「ファスナーに注目してほしい」。このことに尽きます。特に若い世代、洋服を自分で購入するようになる10代後半から20代をターゲットとしています。その人たちにファスナーを見てほしい、ファスナーというパーツにも実は違いがあることに気づいてほしい、というメッセージを発信したい。。その思いを込めて制作したのが、今回の動画です。