ラジオ放送の多様な「聴き方」続々と 聴取環境改善へ

博報堂DYグループの社内向け冊子を書籍化した「広告ビジネスに関わる人のためのメディアガイド2015」が4月下旬に発売されました。発刊を記念し、編集・執筆に関わった博報堂DYメディアパートナーズ社員が各メディアのトピックを紹介します。

「radiko(ラジコ)」には民放70局以上が参画

ここ10年来、減少傾向であったラジオの広告費も、昨年度は前年比102.3%と、上昇基調が見えてきました。民放連研究所によると、2015年度もラジオ全体で0.5%の伸びになるとの予測が出ています。

しかし予断を許さない状況であり、ビデオリサーチによる首都圏の聴取率調査ではセッツ・イン・ユース(男女12~69歳 週平均6~24時=注)が昨年10月以降、6.0%を切ったままです。この要因のひとつにラジオの聴取環境の悪化が挙げられるでしょう。

住環境の変化や高層建築の林立により、電波が届きにくくなったことに加え、さまざまな電子機器の普及によって、今の都市部には大量の電子ノイズが充満しています。

代表的な発生源はインバーターと呼ばれる装置です。各家庭に送られる電気は固定された電圧と周波数を持った交流です。これをそのまま電圧や周波数を制御するのは非常に難しいため、一旦直流に変換し、交流に戻(逆変換)してコントロールしています。

最近のエアコンや冷蔵庫、炊飯器など多くの家電製品や、大きいものではビルのエレベーターや鉄道車両にも使われており、欠かせないシステムであるため、今後増えることはあっても減ることはないと考えられます。

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ラジオの聴き方も多様化 画像提供:Shutterstock

こうした難聴取を解消するためにスタートしたサービスの一つが、インターネット経由でラジオを聴くことができる「radiko(ラジコ)」です。

2010年から実用試験配信を開始、今年の4月時点で民放ラジオ70局以上がそのプラットフォームを通じて配信を行っています。また昨年、放送エリアの制限をはずした有料のエリアフリーサービス「radiko.jpプレミアム」も開始され、会員数も当初の計画を上回るペースで伸びているようです。

(注)セッツ・イン・ユース:調査対象世帯のテレビやラジオのスイッチの入れられている受像(信)機の割合。

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メディアガイド2015(博報堂DYメディアパートナーズ)
メディアガイド2015(博報堂DYメディアパートナーズ)

博報堂DYメディアパートナーズ http://www.hakuhodody-media.co.jp/
博報堂、大広、読売広告社の経営統合により、それぞれのメディア・コンテンツ機能を統合し2003年に設立された、他に類のない「総合メディア事業会社」。メディア・コンテンツビジネス領域において、プラニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジを主要な機能として駆使し、広告主、媒体社、コンテンツホルダーに対し、最適な課題解決力を提供している。

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