米国・サンフランシスコに拠点を置き、リターゲティングのプラットフォームを提供するAdRoll(アドロール)は6月17日に新製品「AdRoll Prospecting」を発表した。AdRollは2015年2月に日本オフィスを開設し、3月からはGoogle Japanで執行役員を務めた香村 竜一郎氏が代表取締役社長に就任し、事業を開始している。
「AdRoll Prospecting」は新規顧客獲得の支援を目的に企画された製品。AdRollを利用する広告主が持つオプトインした顧客データを共有する仕組みで、すでに米国では1000社以上が参加し、試験的に運用が開始されていた。この試験的な取り組みで、10億件以上の匿名のユーザープロファイルにアクセスできる環境ができたという。
日本法人の代表取締役社長である香村 竜一郎氏は「マーケターが現在、活用できている顧客データはごく一部。AdRollは属性などの静的なデータだけでなく、行動パターンの洞察などを踏まえて得ることができる、常に変化する動的な『Intent(インテント)データ』に着目。インテントデータをリアルタイムに把握し、それぞれの顧客に適した広告の配信を支援してきた。すでにテクノロジー系のBtoB企業から一般消費財まで10以上の業種で利用されているので、『AdRoll Prospecting』により、参加する広告主は高付加価値のオーディエンスにアクセスすることが可能になる」と話している。
複数企業が参加するため、競合企業ともデータを共有することになるのではないかという疑問も浮かぶが、同社では「広告を見て実際にコンバージョンに至るユーザーよりも、至らなかったユーザーの方がはるかに多い。データを共有することで自社の顧客が他社に奪われる懸念よりも、アクセスできるオーディエンスが拡がることで得られる新規顧客獲得の可能性の拡大というメリットの方が格段に大きい」と考えているという。
日本においては「AdRoll Prospecting」は現在準備中。提供の準備が整い次第、日本でのサービスも開始する予定だという。
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