——昨年、部門としては「プロダクトデザイン」、アワードプログラムとしては「ライオンズヘルス」が新設されました。これら新しい取り組みについて、どう評価していますか?
ライオンズヘルスの新設は、非常に意義のあるものだったと考えています。2年目を迎えた今年は、総エントリー数1862作品(ファーマ部門432作品、ヘルス&ウェルネス部門1430作品)で昨年比30%増と、さらに規模が拡大しました。市場からも非常にポジティブな反応を得ています。
プロダクトデザイン部門は、カンヌライオンズ全体における一つの“スパイス”となっている。部門として完全に確立されるまでには、4~5年ほど時間を要すると思います。プロダクトデザインは、マーケティングやクリエイティブの世界のエコシステムの一部になっており、ブランドコミュニケーションのプロセスの起点として非常に重視しています。
——マーケターは、カンヌに何を期待していると考えますか。
カンヌには現在、3000名を超えるマーケターが来場しています。昨今、クリエイティブのプロセスが多様化する中、彼らはそのリアルなプロセスを理解したいと感じているのではと思います。カンヌライオンズに期待していることは3つ、①インスピレーション、②ベスト・プラクティス、③ネットワーキング でしょう。なかでも、インスピレーションが最も重要なエレメントです。
カンヌには毎年、世界中のベスト・プラクティスが集まります。それらを知らずして、グローバルで優れたマーケティング・コミュニケーションを実現することはできません。市場の変化が非常に速く、手法もますます多様化する中、ベストプラクティスを学ぶことは非常に有意義だと思います。
また、そうした中で、いかに優れたパートナーを見つけるかということも大きな関心事の一つでしょう。生活者とのコンタクトポイントが多様化するに伴って、パートナーも多様化しているからです。マーケターのこうした期待は、カンヌの参加者が年々増え、世界最大の広告賞として拡大を続ける原動力の一つになっていると思います。
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