人生で重要なことはハガキを書きながら学んだ(ゲスト:嶋浩一郎さん)【前編】

みうらじゅんさんを見習って“修行”している

澤本:それは経験の積み重ねですか?

嶋:そうですね。あとは、各局のワイドショーや情報番組のディレクターの嗜好性とか、編集マンがこうやってこの映像を編集するだろうなというアンティシペーション(予測)ですね。

澤本:ということは、番組もだいたい見ているということですか?

嶋:ケトルのオフィスはテレビが24時間、地上波全局つきっぱなしなんです。これは便利ですよ。6時台のニュースで各局がどのニュースをどれくらいのボリュームで報道しているか、1日中見ていると旬なタレントが誰か、身体でわかってくるんですね。

澤本:それだけ情報収集していないと、色々なことが全部瞬時にわかったりはしませんよね。

嶋:そんなに情報収集をしているつもりはないんですけどね。でも、みうらじゅんさんみたいに“修行”はやります。みうらさんは“修行”といって、EXILEさんのコンサートに行ったりしてるから(笑)。

中村:それは良い概念ですね。

嶋:僕もそういうことは大事だと思って、見習って修業してるんです。本来僕は、阿佐ヶ谷ラピュタで池部良特集をやっていると行ってしまう嗜好性ですが、あえてももクロの映画を見に行くとか、ドラえもんを見に行こうとか。あと、打ち合わせ場所に、わざと1回も降りたことのない駅を選ぶのもしょっちゅうやります。

一同:えー。

嶋:「今度の打ち合わせは本八幡でお願いします」とか。これは20代の頃からやっているから、ほぼ全駅制覇している感じがしますね。打ち合わせをする相手からしたら、「もう勘弁してくれよ」みたいな感じでしょうけど(笑)。

権八:本八幡って千葉のですか?

嶋:千葉です。「この駅にあのファミレスの1号店があるんだ!」みたいな発見があるわけじゃないですか。打ち合わせとさっき言ったタウンウォッチングが同時にできるということですよね。

澤本:逆に、タウンウォッチングをするために場所を設定するという。

嶋:そうですね。あと、僕は人によって食べるものを全部決めてます。たとえば、リクルートでR25をつくっていた藤井大輔くんとごはんを食べるときは、全部すき焼きにしてるんですよ(笑)。

中村:毎回、すき焼き!?

嶋:そうすると藤井くんと会う度に、すき焼きの定点調査ができて、研究ができるじゃないですか。でも、藤井くんはそこに気づかなくて、4回目くらいに「あれ、嶋さんと会っているときはいつもすき焼きを食べてませんか?」と。

中村:4回目にして(笑)。

嶋:やっと気付いたか。みたいな(笑)。まあ、あらゆるタイミングで情報を得たいんでしょうね。でも、よくないですよ。これ。昔よく女の子に「私の人生を企画にしないで」と言われましたから。

一同:

権八:女の子も気づくんですよね。どこかのタイミングで。

澤本:その女の子と食べるものをすき焼きみたいに決めるということ?

嶋:注意散漫で女の人といても周りのいろんなことが気になっちゃうんですよ。あと小山薫堂さんの影響はかなり受けたので、デートがコンセプチュアルじゃないと気にくわない。

澤本:サプライズが巨大とか?

嶋:そういうことです。それはもうラジオで培っちゃったんだと思います。

中村:はい、今週はそろそろお時間です。次週に続きますので、お楽しみに!番組へのご意見やご感想、お悩みなどはsuguowa@tfm.co.jpまでお送りください。

<END>

構成・文 廣田喜昭

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