7月8日、「宣伝会議インターネットフォーラム2015 大阪」の最初に行われたパネルディスカッションは、近年活用が著しい「企業コミュニケーションを進化させるSNS活用」がテーマ。キリン、三起商行(ミキハウス)、日産自動車の3社の担当者が、それぞれの取り組みについて語った。
キリン デジタルマーケティング部 デジタルマーケティング担当の野際陽介氏は、「主に担当しているのはLINEによるコミュニケーション。ソーシャルメディアによるコミュニケーションは、それぞれのメディア特性に合わせた作法がある。それにのっとったうえで共感を呼ぶよう施策を展開できるとよい」と話した。
ミキハウス 営業統括本部 営業企画部 マネージャー の高坂 一子氏は、同社で、ソーシャルメディアを本格的に活用し始めことはごく最近であると述べたうえで「Facebookは、お客様が気軽に問い合わせできるような窓口であるべきと考えています。したがって、コンテンツの制作においても、読んでくださる方を具体的にイメージして制作するようになっています」と、コンテンツを制作するにあたっての心構えの部分にも言及。
日産自動車 マーケティング本部 販売促進部の冨井祐樹氏は、主に担当している、日産のSNSコミュニケーション「にっちゃん情報局」にて発信してるコンテンツの制作について、日産のファンの人はもちろん、自動車にあまり関心を持っていない層にも届けるため、オリジナリティあるチャレンジングな企画も実施している。「社内に対して、どのような目的でどのようなことを行っているのか、しっかり周知しておくことで企画が取りやすくなります」と話した。
今後取り組んでいきたいことについて、キリンの野際氏は「LINEビジネスコネクトを活用して、お客様が欲しいタイミングでほしい情報を属性に応じてメッセージを送り、エンゲージメントを深めて行きたい」と話した。ミキハウスの高坂氏は「SNSと動画は親和性が高いと感じているので、動画による情報発信をさらに行っていきたいと考えています」と語った。
日産の冨井氏は「昨年実施したクラウドファンディングのような、ファンと一緒に企画を形にしていくことや、先月ニコニコ超会議に自動車業界で初めて出展したような、業界初の試みをもっと実施していきたいと思います」と語った。
SNSの活用においては、ツールの活用はもちろんだが、前提として伝えたいことを顧客目線で届けることが重要であると実感できるディスカッションとなった。