【前回コラム】「そろそろ広告枠に全予算をつぎ込むのはやめて、まずは本気のコンテンツ投資から考えた方が良いのではないか」はこちら
前回のコラムでは、広告費をテレビなどの広告枠に全予算つぎ込むのではなく、Web上の動画コンテンツ自体に投資しはじめている企業の例として、ネスレとキヤノンをご紹介しました。
今後、これらと類似の現象がテレビ番組においても起きるだろう、といったら皆さんはどう感じるでしょうか?
企業が自社の製品をテレビで紹介するためには、CM以外の選択肢が昔から多数あります。そもそも新製品の発表会をテレビのニュース番組などに取材してもらえば、低コストでテレビに露出することができます。製品単体では興味をもってもらえなくても、テレビ受けする芸能人に記者発表会に出てもらうことでテレビ局に興味をもってもらいやすくするという手法もあります。
「お願い!ランキング」や、一昔前の「超潜入!リアルスコープハイパー」や「シルシルミシル」のような番組に自社の製品や工場をフォーカスして取りあげてもらうことができれば、大きな反響があることは証明されていますし「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」のような企業の活動を取り上げる長寿番組も存在します。
テレビにおいては、昔から番組スポンサーや一社提供という仕組みがあります。
フジテレビで放映されている平日のお昼の番組「ライオンのごきげんよう」や、TBSで土曜日夜に放映されている「日立 世界ふしぎ発見!」などは、番組タイトルに企業名が入り、20年以上続いていますから、ご存じの方も多いでしょう。
ただ、「シルシルミシル」や「リアルスコープ」が放送終了になってしまったように、企業をテーマにした番組はネタ切れが起きやく、長続きしにくいという現実もあります。製品やサービスがテレビのニュースで取り上げてもらえるのは、一般的には新製品発表などの特別なタイミングだけでしょう。
一方で、番組スポンサーや一社提供は、通常はタイトルに企業名が入っていても、番組内ではその企業や製品についてあまり宣伝せず、せいぜい番組内の広告枠的な製品紹介枠を設ける程度、というのが一般的でした。
そう考えると、恒常的にテレビに製品を露出しようと思うと、基本的にはテレビCMというのが一般的な選択肢だったのは間違いないでしょう。
ただ、最近は録画視聴によるCMスキップ問題などの影響もあり、テレビCMではなく番組内で商品やサービスを取り上げてもらう広告手法の選択肢が明らかに増えてきています。
特に、プロダクトプレイスメントと呼ばれる映画やテレビドラマの中で、商品の露出を行う手法が明らかに増えてきました。