【前回のコラム】「編集者として、人と人との狭間を埋めたい(4)」はこちら
皆様のなかで、自意識をこじらせているという自覚がおありの方はいらっしゃいませんか?思い当たることがある方は、ライターの素質があります。でも、そのままでは、ただのイタいだけの人です。
「自分には関係ないな」とピンとこない方は、編集者の素質があります。編集のお仕事をするなら、この自意識をこじらせたライターの生態と付き合い方を学ばないといけません。
人間に、なりたい
私は、環境によっては、ちょっとだけ生きづらさを感じることがある個性を持っています。
病的に落ち着きがなくて、みんながあたりまえにできることが、できません。鉄棒のさか上がりができなくて、時間の計算もできなくて、なんでもすぐに忘れる。メモを取れば、メモを取ったことを忘れる。パスポートやお金を、間違ってゴミ箱に捨ててしまう。恥ずかしいのでここだけの話ですが、夜寝る前にトイレに行かないと、おもらしします。内緒ですよ!
私にとって、この世界はとても怖いところでした。出会った人すべてが、私にできないことができる人。毎日、誰に会っても全戦全敗で、外に出るのが怖かった。何にもできない役立たずなのに、何かができるふりをして、周りの人をだましているのが苦しかった。
何かができるようになること、できないことを隠すために努力することは、人間になりたい私の義務であり、人間ですらない私への罰でした。
どうです、呆れるほど自意識をこじらせているでしょう?でも、当人は本気です。