生態系クリエイターになろう。

クリエイターが本当に創るべきもの。

僕がもうひとつ疑いをもっているのが
クリエイターの役割です。
世界にクリエイターが溢れ返り、
プロクリエイターの価値が
相対的に下がっている昨今。
広告業界から生まれるスタークリエイターも
年々減ってきている気がします。
「人生を変える優良なコンテンツ」
を創れるクリエイターなんて
数えるくらいしかいないです。
なのに、コンテンツマーケティングの煽りで、
猫も杓子もコンテンツコンテンツです。
芋洗いです。激混み状態です。
しかも、命を削って創ったものが、
仮にバズったとしても、
あっと言う間に話題を他のコンテンツに
もっていかれます。
コンテンツ産業自体が、
「秒単位の暇つぶし産業化」しています。
そんな状況下で、クリエイターは何を創ればいいか。

僕は、「生態系」だと思っています。

クリエイターは、生態系クリエイターになった方がいい。
エコシステムをゼロから創る方がいい。
生態系とは様々な定義があると思いますが、
わかりやすく言うと「世界」です。
独自の、新しい、でっかい世界をつくる。
その世界が魅力的で必然性があれば、
そこに色んな人達がわーっと入ってきます。

ゆるスポーツで目指しているのは、そこです。
スポーツ業界に、
まったく新しい生態系を創ろうとしています。
すでに、企業・メディア・アーティスト・学校など、
あらゆるステークホルダーから日々連絡が絶えず、
日々その生態系を進化させています。
今後どれくらい成長するかは未知数ですが、
チャレンジする価値はあると思っています。

僕は広告業界に身を置いているのですが、
「広告クリエイターはコンテンツを創ればいい」
というひとつの流れに対して「ほんとかな?」
と思い、本流から逸脱して
わけのわからない道を歩んでいます。
不安になることの方が多いです。
だけど、
コンテンツクリエイターは山ほどいる。
生態系クリエイターはほとんどいない。
という紛れもない事実があります。
空いてるんです。
ここに踏み込まない手はありません。
もうぎゅうぎゅうに詰まっていて
先細りしている世界に
ダイブしていくのではなく、
まっさらな生態系をその脇に創っていく。
流れをこっちに引き寄せる。
これこそが「創造」の本質ではないでしょうか。
爆速消費されるものより、
じわーっと育っていくものを創る。

日本社会は、何十年も使用している歯車群が、
ギチギチに詰まって動かなくなってきています。
歯車が錆びてきています。
だったら、真っ新な歯車を2つ3つばかり創って、
空いているスペースをみつけて、
歯車を重ね合わせておずおずと回してみる。
そうしたら思わぬ誰かが
「だったらこのパーツも加えない?」
とフラットに良いと思う歯車を加えてくれる。
より大きな回転に変わっていく。
新しい生態系が生まれていく。
古い生態系とマージしながら、
時には塗り替えながら、
クルクルと新しい時代を回していく。
生態系を創るとは、このような感覚です。
楽しいです。ワクワクします。
ただし、歯車がまだまだ少ない状態だと
スカスカしているので不安になりますが(笑)。

次ページ 「生態系の創り方。」へ続く

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澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)
澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

澤田 智洋(電通 コピーライター/プロデューサー)

2004年電通入社。映画『ダークナイト・ライジングの』「伝説が、壮絶に、終わる。」等のコピーを手掛けながら、多岐に渡るビジネスをプロデュースしている。世界ゆるスポーツ協会代表。日本バブルサッカー協会理事長。スポリューションメンバー。義足女性のファッションショー「切断ヴィーナスショー」プロデューサー。視覚障がい者用のロボットを開発する「MAGIC STICK PROJECT」プロデューサー。日本ブラインドサッカー協会のコミュケーションプランナー。R25でマンガ「キメゾー」連載中。口説き文句研究家。著書「ダメ社員でもいいじゃない。」

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