クラウドファンディングは企業にとって低リスク
――実際に、ベクトルとサイバーエージェント・クラウドファンディングが一緒に行った取り組みはありますか?
坊垣:今回の提携前ですが、ホームセキュリティのプロダクトの取り組みでご一緒したことがあります。「Makuake」で新商品への支援者を募集して、その記者発表会をベクトルが行うというプロジェクトでした。事前に連携することで、記者発表会のコンテンツとして、クラウドファンディングのことを伝えて、メディアに紹介されました。
長谷川:まずは一緒に啓蒙活動に力を入れていきます。先日は、私たちのクライアントにクラウドファンディングの活用方法を紹介するセミナーを行いました。そこでは、クラウドファンディングの成功事例を紹介したり、具体的にPRとどう連携していくのかという話をしました。
――PRとクラウドファンディングを組み合わせることのメリットを中心にお聞きしました。一方で、企業が利用する際のデメリットはあるのでしょうか。例えば、「支援が集まらなかったら、ブランドイメージが落ちないか心配だ」とか。
坊垣:たしかに、そういう質問もときどきあります。ただ、支援が集まらない商品をいきなり量産してしまう方が、事態は深刻ですよね(笑)。支援が集まるか不安なものこそ、まずは試した方がいいです。
それに、リスクが発生するのは、投資額に対して期待した成果が得られないというケースが多いと思います。クラウドファンディングはプロジェクトが成功した場合に、集まった金額に対して手数料が発生するモデルです。そのため、実施時に費用はかからず、リスクはほとんどないです。
長谷川:ベクトルとしても、コストが掛からないので提案しやすいです。将来のユーザーになる可能性がある人たちの反応がわかり、かつPRやプロモーションにつながる。「やらない理由はありませんよ」と言っています。
――最後に、今後の抱負を教えてください。
長谷川:初年度に20社導入を目指していきます。
坊垣:クラウドファンディングは今まで存在しなかった良いものを、一般のユーザーの支援を得て世の中に出していくというお手伝いです。ベクトルの力を借りて、良いものが世の中に広まっていくところまでをお手伝いできればと思っています。
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