電通は28日、ブラジルのデジタル系広告会社リダイレクト・デジタル・マーケティングを完全子会社化すると発表した。海外本社の電通イージス・ネットワークを通じて株式100%を取得する。買収後は電通イージス傘下のアイプロスペクト・ブラジル支社の一部門として吸収する。現経営陣は同部門のトップとして迎える。
リダイレクト社の買収で、電通の2015年1~7月の海外買収件数は14件となり、同期間のWPPの買収件数と並んだ。電通が獲得した14社中、リダイレクト社を含む8社がデジタル系。各国市場のオンライン広告での存在感を強める。
ブラジルの2014年の広告市場規模は116億8100万ドル(約1兆2300億円)で、約65%をテレビが占めるのが特徴。オンライン広告は12年に新聞を抜き、市場シェア約17%の20億2900万ドル(約2127億4000万円)。電通イージス傘下カラの予測では、リオ五輪が開催予定の2016年には、市場全体で134億8900万ドル、オンライン広告は24億3300万ドルに伸びる見込み。
リダイレクト社は07年設立で、本社はクリチバ市。事業領域はアイプロスペクトと重なり、広告効果の向上やWebサイトへのアクセス流入増強など、オンラインマーケティング手法の最適化を手がける。14年12月期の収益は約1.6億円(400万レアル)。
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