情報の「置き方」の工夫で、コンテンツが自走した
ここまで情報が自走していった「壁ドンカフェ」と「壁ドン人形」。この自走の裏には、もう一つ忘れてはならない情報の「置き方」で意識したポイントがありました。
ここまでご紹介したようにリアルイベントを軸としながら、一方でWeb上のオウンドメディアである「ブランドサイト」に、人形のプロフィールや、「壁ドンカフェで、壁ドンを体験している体験映像」、そして「壁ドン人形の制作風景」など、様々な周辺コンテンツを最初の段階から置いておいたのです。
「壁ドンカフェ」や「壁ドン人形」に興味を持ったソーシャルメディアの利用者たちが「これ面白い」とリアリティを持って伝えられるような素材を複数置いておくことで、彼らはブランドサイトからそれらの情報を取得し、拡散コンテンツとして、利用していました。
情報を面白がって広めてくれる人たちが、どんな素材を必要としているのか。それを計算してコンテンツを用意したことが、この自走に一役かったのだと思うのです。
お客様とブランドをつなげるストーリーとコンテンツをつくる際、そのブランデッドコンテンツやコンテンツの置き場がメディアインサイトやソーシャルインサイトをしっかりと捉えていると、自然と自走率は高くなるのだと改めて感じることができました。
この事例では、マスメディア露出やソーシャルメディアでのブランデッドコンテンツとしての自走力としては、最大効果が図れたと思います。
しかし一方で、実際の売り場などで「壁ドン人形」をキャラクターやアイコンとして利用したり、「壁ドン人形」自体にブランドの色を混ぜ込むなど、コンテンツとブランドの距離をもっと近くすることができれば、販売により貢献できたのではないかとも思います。
パブリックで人々が面白がるコンテンツに、どうブランドをリンクさせていくのか。その最適な塩梅は、これからさらに追求していかなくてはならない課題の一つですね。
それでは、ごきげんよう、さようなら。