ポータルサイトはニュースが要
個別メディアの最適化という点でも学ぶところが多い。ウェブの「Canon Frontline Web」はポータルサイトと位置づけているだけあり、このサイトを訪れればグループ内の動きを中心に業界の動き、それと連動する社会の動きを毎日リアルタイムでキャッチアップできる構成になっている。
自社、業界、そして社会の毎日の動きを知るのに、要となるのはやはり「ニュース」だ。
同社では「日経テレコンKnowledge Passport」を導入し、トップページ右上のボックス「日経三紙キヤノン記事」に日経新聞、日経産業、日経MJの三紙から同社やグループ企業のニュースが自動的に表示されるように構築。ここからは「日経ニュース&サーチ」というページにリンクしており、「キヤノン関連記事」「マーケティング関連記事」のほかに、各紙の一面コーナーが設けられ、それぞれニュースの詳細を閲覧できる。
また、同コーナーには「過去の関連記事」「今日のプレスリリース」へのリンクを貼り、自社の動きをより深く知ることができるほか、広報活動に関する社内の理解を高めることにもつながっている。このニュースページは、全体の月間30万PVのうち4万PVを占める、閲覧性の高いコンテンツとなっている。
広報第二グループの栗原昭宏氏は、「グループ内のニュースは広報部主導で発信していますが、競合の情報などは拾いきれないところもあります。特に営業担当者は、出先などですぐにスマートフォンからマーケティング情報を得たいので“日経ニュース&サーチ”が役立っています」と話す。
キーワードを登録し、関連ニュースを毎朝メールで受け取ることもできるので、この機能を使ってクリッピングし業務に活用している社員も多いという。また、希望者には、「エキスパートサーチ」ページを用意し、企業情報や人事情報など、日経の各コンテンツが閲覧できる仕様とし、営業支援にも役立っている。
キヤノンMJではこの3月末に社長が交代し、ITソリューションなど独自事業に一層注力すると打ち出している。
栗原氏は「ITに関する情報は世の中のウェブサイトでも豊富に得られます。社員がそこに自ら情報を取りに行くだけでなく、ポータルサイトからも積極的にタイムリーな情報を発信する必要があると考えています」と語る。
2016年から新たな5カ年計画が実施されるのに合わせ、社内広報でも社員が顧客の課題解決に役立つ、本当に社員に必要な情報は何かを改めて考えていく。
「一方通行ではなく、我々のメディアがハブとなって、社員同士および部門同士の距離を近づけ、新たな価値を生み出すことが理想です」と若杉氏。クロスメディアの連携を基盤に、さらなる力強い展開が期待される。
日経メディアマーケティング主催のセミナーが9月9日(水)、宣伝会議東京本社セミナールームで開催されます。
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