足立:撮影の合間に観光はできましたか。
C:撮影が忙しく観光どころではなかったのですが、幸いこの1年で東京や北海道、大阪、広島、京都などに行くことができました。 そして、今度はやっと沖縄に行けるんです。ずっと行きたいと思っていたので、本当に楽しみです。
足立:日本に初めて来たとき、驚いたことはありましたか。
C:たくさんのことに驚きました。例えば、初めて日本に到着した晩、居酒屋に行き、馬刺しを食べたんです。米国では馬は食べ物ではないのでびっくりしました。それに、日本の撮影の進め方にも驚きました。物事がとにかく早く進む一方で、1回の撮影が18時間に及んだりとすごく長い。米国ではそういうことがなかったので、最初の頃は慣れるのに精一杯でしたね。でも終盤では、撮影が12時間で終わると、「あれ?今日は早いな」という感じで(笑)。
足立:慣れるものなんですね。また日本で女優をやりたいですか。
C:もちろんです!日本はもう私の人生の一部であり、マイホームだと感じています。望んでくれるのならば、米国と日本を行ったり来たりしながら、日本でも活動を続けていきたいと思っています。今年3月にNYに行った時には、“逆・カルチャーショック”を受けたくらいです。日本の人々は本当に優しくて親切だから、NYでは日本が懐かしかった。でも、NYだと誰も私のことを知らないので、気楽な面もあります。どこへでも行くことができますし、パジャマで歩いていても平気ですね(笑)。
足立:今後、日本のCMでも活躍が期待できそうですね。
C:米国と比べると日本のCMは、とても生き生きとしていて、エネルギーを感じます。いつか、誰かの人生をより良くし人々に幸せをもたらすようなことができるCMに出てみたいです。あとは、面白いCMが好きなので、そういう作品に出てみたいですね(笑)
対談を終えて
エリー役で一躍、人気者になったシャーロットさんの素顔は、とても素直な米国人女性でした。秋から主演をするミュージカル『シカゴ』では、エリーとは真反対の小悪魔で少しセクシーな役を演じられます。どちらが本当のシャーロットさんに近いのかという少し意地が悪い質問にも、正直に答えてくれました。日本の芸能界における、外国人女優枠を独り占めにできるシャーロットさんの活躍は、とても期待が持てます。
シャーロット・ケイト・フォックス
女優・歌手
1985年8月14日生まれ。米国・ニューメキシコ州出身。米国内では、舞台を中心に活動し、その演技力に高評価を得ていた。2014年、秋から2015年春まで放映されたNHK連続テレビ小説『マッサン』のヒロイン“エリー役”に大抜擢される。そして、4月にはデビューシングルを出し、歌手としても活動を始め、今夏には初のアルバムを出す予定。今秋には、ニューヨークのブロードウェイでミュージカル『シカゴ』に主演することになり、12月に来日公演も予定している。
足立茂樹
e-Spirit 代表
キャスティング会社e-Spiritの代表。博報堂出身。米国の大学でマーケティングを専攻し、米国スタイルのキャスティングを日本に取り入れ、オーディションシステムも体系化。現在では40名のスタッフで年間1300本を越えるキャスティングを行う。