【その2】自分じゃなくてもいい仕事はしない
はあちゅう:わたしは、自分のやりたいこととマッチしない依頼は受けないようにしているんです。
長谷川:どんな基準で仕事を選んでいるんですか?
はあちゅう:例えば、商品広告の依頼が来たら、自分自身が思い入れのあるものだったり、使いたいと思うものだったら引き受けます。逆に、わたしではなく他のタレントさんでもいいのかな、というものはやりません。常に「わたしである必要はあるだろうか?」と考えながら仕事をしています。そうじゃないと、その仕事で、わたしらしさが出ないんですよ。そうすると、またこの人に頼もうと思ってもらえない。幅を狭めてしまうかもしれませんが、仕事を選んだほうが、結果的にみんながハッピーになると思います。
長谷川:でも、はあちゅうさんのブログは影響力があるから、「ブログで紹介してくれない?」とか、流れで頼まれてしまうこともあるんじゃないですか?
はあちゅう:めちゃくちゃ多いです。正式なご依頼で「お仕事」としてであれば引き受けることはありますが、お付き合いで頼まれることはなるべく断るようにしています。お付き合いで引き受けると後味が悪いんですよね。相手にいい顔をした結果、読者の方も周りの人も「あれ?」と思ってしまう。相手も「これくらいで引き受けてくれるんだ」と思ってしまい、こちらとしては好意でやったつもりでも、相手方のどんどん要求が高くなるし。後出しジャンケンで次々に仕事を振られると、自分のしたくないことをやらないといけなくなって、忙しくなってしまう。これだと幸せにならないんですよね。
【その3】先輩の言うことを聞きすぎない
長谷川:もし、はあちゅうさんがブロガーでも作家でもなく、コピーライターとして独立するなら、どんなことに気をつけますか?
はあちゅう:先輩コピーライターの言うことは、すべて真に受けないほうがいいと思います。もちろん、わたしもコピーライター時代にお世話になった先輩はたくさんいますし、とても感謝していますが、SNSを使いこなすことに関しては、わたしたちのほうが長けているし、今のトレンドを掴んでいると思うんですよ。先輩がいいというコピーが、必ずしも世の中や、新しい媒体にマッチしているわけではないかもしれない、と常に疑問を持ったほうがいいと思います。
長谷川:なるほど。ぼくが今勤めているカヤックは、コピーライターの先輩もコピーをチェックしてくれるCD(クリエイティブディレクター)もいないんですよ。自分の書いたコピーがそのまま世に出るから、世の中がCDであり先生なんです。Twitterであまり拡散されていないと「あぁ、ダメだったか…」と判断できる。すごくいい環境だと思ってます。
はあちゅう:それは最高ですね!
長谷川さんに加え、藤本宗将さん(電通)・眞鍋海里さん(BBDO J WEST)の3名を講師として、媒体、コンテンツを問わず機能し、拡散していくクリエイティブの在り方について学び、今の時代に「コピーライター」として生き残る術を考える「コピーライター養成講座拡散コース」を開講します。
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