カンヌ特別生放送!澤本さんによる現地レポート

今年のカンヌは「女子」が強し?

中村:そんなところで早速、澤本さんとは繋がっているんでしょうか。澤本さん?

澤本:もしもし。(カンヌと電話で生中継)

権八:我らがパイセンオブザイヤー、澤本さん。

澤本:あのさ、僕メインパーソナリティだったのかな?

中村:そうですよ!

権八:何をいまさら。

澤本:いやなんか・・・一番しゃべってないなと思って。

権八:これからしゃべってください。カンヌと生でつながってますから。

澤本:生中継っていうとすごくいいけど、僕電話の前でずっと待ってるだけだよ。

権八:いやいや、もう待たせません(笑)。すみません与太話をしてまして。

澤本:去年はラジオの録音する人もみんな来てくれたけど・・・今年はただ「澤本さん電話の前で待っててください」と言われて、電話かけてるだけだから、ラジオに出てる感じはあまりないですね。

中村:今そちらは何時でしょうか?

澤本:今こちらは昼の1時です。日本とは時差が7時間。

権八:カンヌでは今日は何かご覧になったんですか?

澤本:今日からCMのフィルム部門があって、ショートリストという予選通過したものをまとめて見せる上映式があるんだけど、それを朝の9時からずっと見ていました。

権八:雰囲気はどうですか? フェスティバルというぐらいだから浮かれた気分というか、日差しも強いし、海だし。盛り上がっていますか?

澤本:浮かれた気分にはなるよね(笑)。

権八:僕が昔行っていた頃は、毎晩のようにビーチで広告会社やプロダクションがイベントを主催していたじゃないですか。今もやっていますか?

澤本:やっているけど、僕や権八が行きたくてしょうがなかった頃は、来る人がみんなクリエイターだったよね。CMをつくっている制作者がいっぱい来ていたんだけど、今はクライアントの方とか、会社の中でもストラテジーをやっている方とか、そういう人たちがいっぱい来る会になってますね。

権八:つまり、ロマンチックバカはいないと(笑)。

澤本:少数かな(笑)。パーティーでビジネスをやっている感じですね。

権八:あのCMをつくった、あのキャンペーンを手掛けたのは俺なんだみたいな感じで売り込んだりとか、そういうことが。

澤本:それもあるし、会社を経営されている方が来て、クリエイターにうちと組みましょうよみたいな話をしている感じ。クリエイター同士が会って盛り上がるみたいなことよりは。盛り上がり方のバカ度が減っていますね。

権八:今年のカンヌで気になった作品はありますか?

澤本:去年の菅野薫くんがやっていたHondaのセナみたいに全部をまとめて獲っていくという席巻するようなものはあまりないですね。だから、誰が目立っているというのはない。結構いっぱい獲りそうだと思ったのは「#LikeAGirl」かな。

中村:P&Gのキャンペーンですね。

澤本:そうです。大人の女性に「女の子らしくしろ」と言うと、ちょっと過剰に女の子らしくなったりするんだけど、子どもに同じことを言うと全く違ったハッキリと意志を言ったりして。思春期で女の子が変わらなければいけないということを社会が強要していると。これは女性に「もっと自信を持て」というメッセージらしいんだけどね。何となく今年は、カンヌの中で「女子」が強い気がしますね。

権八:クリエイターがですか?

澤本:クリエイターというか、カンヌだけじゃなく世界的に女子というか、性差別をなくそうとか、女子頑張れみたいなものが目立っているような気がします。

中村:そんな部門もあるんですよね?

澤本:そうそう、グラスライオンというのが新しくできたんだよね。

中村:男女差別とか、偏見へのアプローチを表彰するという部門が新設されて。

澤本:それだけで新しい部門ができたから、方向的にはそっちへ向いているのかなという気はしますね。

権八:P&Gって世の中の思い込みみたいなところにメスを入れて、「本当は違うんじゃない?」みたいなことを問題提起するような、そういうブランディングを何年か前にもやっていましたよね。

澤本:流れ的にはそこから変わっていないですね。

次ページ 「フィルム部門を見て「CMをもっとよくできる」と感じた」へ続く

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