【前回コラム】「カンヌ特別生放送!澤本さんによる現地レポート」はこちら
今回の登場人物紹介
※本記事は6月12日放映分の内容をダイジェスト収録したものです。
コピーライターは止まっていてはダメ
中村:えー、最近お2人は何をして過ごされていますか?
澤本:今日、僕誕生日です。
権八:6月9日はロックの日だけど、6月10日は・・・
澤本:ロトの日。
権八:どんどんズレてく(笑)。
中村:今週も超ビッグなゲストに来ていただいております。ライトパブリシティCEO、コピーライターの秋山晶さんです。
秋山:こんばんは。ビッグでも何でもないのに。ビッグと言われて嬉しかった年から、もう50年くらいは経ってますね。ロトの日に生まれた澤本さん、お誕生日おめでとうございます。
澤本:すみません、うわ!
権八:いま、秋山さんから花束が贈られました。
澤本:そうか。じゃあ僕が全てをつぶしたわけだ。
権八:あ、いえいえ。その通りですよ(笑)。
澤本:すみません、秋山さん、ありがとうございます。
権八:澤本さん、おいくつに?
澤本:49歳ですね。法要みたいな感じに(笑)。
秋山:僕と30歳違うんですね。
権八:秋山さんは1936年生まれの79歳でいらっしゃるということですが、すごいですね。今も現役でキユーピーマヨネーズのコピーなどを、ずっとお書きになられています。
澤本:秋山さんは、僕らが何気なく見ているコピーや記憶に残っているコピーをいっぱい書いていらっしゃる方です。コピーライター的には「尊敬の頂点」みたいな方なので、今日は緊張します。
秋山:ありがとうございます。ただ、コピーライターというのはアーティストではありません。作家でもない。職業ですから。偉いとか、ビッグというのはないんじゃないですかね。仕事を長くやっているということで、ビッグというよりは、“長い”コピーライターじゃないですか。
権八:糸井(重里)さんがTCCで殿堂入りしたときに「コピーライターはどこまでいってもプロフェッショナルじゃなくて、素人のプロフェッショナル」で、「腕が鍛えられるとか、そういうことではなく、どこまでいっても腕も筋肉もつかない」ということをおっしゃられていましたが、それについて秋山さんはどう思われますか?
秋山:その通りだと思いますね。身体と逆ですね。肉がつかないようにすることは、僕も1つの理想だと思うんですよ。コピーライターは、停滞してはいけない。僕は止まらないようにしています。道を外れていたり、たとえ間違っているかもしれなくても、とにかく止まらないようにしようと。そういう風にしてきたので、“長い”コピーライターになったんじゃないですか。
権八:コピーライターになられて、もう何年になるんですか?
秋山:22歳のときになりましたから、57年ですね。最初は出版社のコピーライターで、書籍と、今はもうなくなってしまった雑誌『若い女性』を担当していました。書籍を担当したので、ずいぶん訓練になりましたね。文章のうまい作家たちの本を校正刷りで読んで、そのキャッチフレーズをつくる、100字ぐらいにまとめる、帯をつくるなど、そういうことをしていましたから。
澤本:昔は各書籍をつくっているところにコピーライターがいて、その書籍を販売するためのコピーを書いていたんですね。
秋山:コピーライターがいる会社といない会社がありますが、雑誌のほうは定期刊行物なので、毎月、その月にふさわしいコピーを書いていましたね。