Instagramを活用したプロモーションで成果を出すポイントは?—3Minute 細川潤氏に聞く

——成果を出すためには、商品にあったインスタグラマーをコーディネートできるかが重要なのですね。では、企業が効果的に活用するためのポイントは?

単純に商品を掲載するだけでなく、インスタグラマーが商品を体験したことを伝えると、より効果が高まります。例えば、日本コカ・コーラのスプライト「スライド・ザ・シティ」というイベントを私たちでお手伝いしたのですが、この時は13人のインスタグラマーに実際にイベントを体験してもらい、動画をアップしてもらいました。私たちがインスタグラマーと企業の間に入ることで、より効果的な取り組みが実現しているのです。

特に、Instagramは写真を中心にしたSNSですので、どうしても伝えられるメッセージは限られてきます。そのため、商品の機能への理解を促すということよりも、商品の認知やユーザーとのエンゲージメントを高めて、「ファン」にすることが得意なメディアです。キャンペーン全体のストーリーを明確化し、その中でInstagramを活用するという考え方が重要だと思います。

——Instagramを活用したプロモーションに適している商品はありますか?

日本ではインスタグラムを10~20代の女性が使っているので、やはりその層をターゲットにした商品が適しています。最近は、菓子・飲料や食品などの関与度の低い一般消費財と相性が良いことが分かってきました。インスタグラマーに商品を体験してもらいやすく、率直な感想を投稿してもらえるのです。化粧品などのファッションアイテムは、その機能や優位性までをInstagramで伝えることはなかなか難しいのですが、パッケージがフォトジェニックであれば、興味関心を持ってもらえることもあります。

——YouTuberやインスタグラマーをプロモーションに活用する場合、どうしてもステルスマーケティングの懸念が出てきます。広告主側での意識も高まっているようです。

そうですね、私たちも企業からの提供の場合は、PR表記を付けるようにしています。また、先ほどお伝えした通り、単純にお金をもらうから商品を紹介するのではなく、あくまでもインスタグラマーたちの日々の活動の延長としてできるように、承諾を得たうえで投稿してもらっています。

——最後に、今後の取り組みについて教えてください。

商品や企業へのファンをつくるために、Instagramをキャンペーンごとの単発ではなく、長期的な取り組みとして活用する企業が増えています。私たちも企業の中長期的なターゲットユーザーとのコミュニケーションのお手伝いもしていきたいと思っています。

細川潤(ほそかわ・じゅん)
3minute inc. 代表取締役 COO

早稲田大学理工学部卒業。2006年にサイバーエージェントへ入社。インターネット広告営業に従事。新規クライアント開拓をメインに、金融から消費財メーカー、ECサイトなどを担当。その後、アフィリエイト部門の局長を経て、スマートフォン広告に特化した営業チーム立ち上げに参画。2012年からAmebaスマホプラットフォーム、SAP事業責任者。2015年より3Minuteへ参画。


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