「被災地を笑って支援」テレビ局が特集を組んで報道
いざ、ポスター展が始まった。河北新報社が新聞5ページを使ってこのプロジェクトとポスターをすべて紹介するという新聞社にしかできない荒技をやってのけた。新聞を見た読者が紙面の写真を撮ってSNSに広がっていった。
続いてプロジェクトを追っていた2つのテレビ局が特集を組んで報道。それを見たキー局がさらに報道するなど、どんどん広がっていった。4年目の3.11が近かったこと、かつ「笑って支援」、つまり今までの被災地支援とは大きく異なっていたこと。以上の2点から広報効果は大きかった。最終的に17メディアが24回報道した。当たり前のことだが、女川ポスター展は「復興」だった。大阪のポスター展の「地域活性化」とは大きく違った。
大分の商店街を盛り上げた究極のガイドブック
続いて大分にいこう。4月16日、大分駅にJRおおいたシティという巨大な複合商業施設がオープンした。そのオープニングキャンペーンを手がける電通九州の今永CDから声がかかった。大分駅前には商店街が大きく広がっている。その商店街とともに発展をしていきたいというクライアントの思いから、商店街の活性化につながる施策をすることになり、ぼくに白羽の矢が立った。
クライアント、地元、電通九州のスタッフ、ぼくという立場の異なるメンバーで何度も会議をして辿り着いた結論は、究極のガイドブックを作ること。駅ビルに来た客にガイドブックを渡し、まちなか(大分市内中心部の通称)商店街へと足を運んでもらう。それがまちを賑やかにさせるという作戦だ。
ぼくが編集長となり、大分の名店26店舗を厳選し、電通九州のクリエーティブスタッフが各店舗のポスターを制作した。右ページにはポスター、左ページには店の説明という冊子をつくった。地元テレビ局が1時間の特番を組み、このプロジェクトを取り上げてくれた。