明石家さんまさんにプレゼンするより怖いものはない(ゲスト:角田陽一郎)【前編】

ホリエモンに学んだ新しいテレビ番組のつくり方

澤本:「オトナの!」でライブやってますよね。

角田:「オトナの!フェス」ですね。フェスをつくった理由は2005年2月9日にさかのぼります。その日、僕は領収書の精算をしていました。タクシー初乗りが660円だったんですけど、誰と乗ったとか、どこへ行ったとか書かないといけないんですけど、覚えてなくて。どうしようかと思っていたら、テレビで緊急速報が流れて、「ホリエモンがニッポン放送を600億円で買収」と。

中村:ありましたね。

角田:ホリエモンこと堀江貴文さんは僕の大学の1個下なんです。知り合いじゃないけど、同じ大学の文学部にいたわけです。彼はずっとお金儲けのことを考えていたら600億円持っていて、僕はずっとフリとオチを考えていたら660円の領収書も切れないと。

一同:爆笑

角田:その事実に愕然としました。そのときに、やっぱりお金儲けばかり考えるのは嫌だけど、フリとオチは7割にして、3割ぐらいはお金儲けのことを考えてもいいなと思ったんです。

澤本:なるほど。

角田:そこからテレビを見直したらガラッと考え方が変わって。その翌週くらいに、「東京フレンドパーク2」という番組があったんですけど、そこに嵐さんが出演して、23%とか、すごい視聴率をとったんですね。あの番組はTBSのAスタジオで収録していたんですけど、嵐だったら国立競技場でやればお客さん7万人ぐらい軽く入っちゃうじゃないですか。

澤本:公開収録でね。

角田:チケット3千円で売れば2億1千万の売上ができるわけです。そこから場所代を払ったり嵐さんにギャラを渡したりしても制作費はゆうに稼げると思ったときに、テレビの番組収録って、ロケ企画とか常にイベントを起こしているにも関わらず、カメラの前で無償でイベントをやっていたんだなと。

中村:確かにそうですね。

角田:それなら有償でイベントをやって、その場でしか楽しめない有償ぶんの価値をチケット買ってくれた方には味わっていただいて、それを後から編集して、無料放送でOAしたら、それで事前に制作費が生まれるんじゃないかと考えたんです。それを今、「オトナの!」では実際にやっていて、毎年3月とかに「オトナの!フェス」をやってるんですけど、その入場料で番組をつくっています。

そうすると究極的にはスポンサーさんがいなくても、まぁ実際はいないとダメなんですけど、スポンサーさんがいなくても番組がつくれるとなってしまえば本当に自分が良いミュージシャンだと思う方に出ていただけるし、無名とか有名とか関係なくても、出ていただくということが可能になる。

澤本:すごいよね。

権八:面白いですね。そういう試みって僕は初めて聞いたんですけど、TBSさんの社内においてはどういう位置づけなんですか?

角田:「異端」です。

一同:爆笑

角田:ちなみにここはFM局ですが、うちは系列でAM局があるので、ここに出てもいいというロジックにしているのも異端です(笑)。さっき、権八さんは「オトナの!」を見たことがないとおっしゃってましたが、実はYouTubeにもアップしているんです。民放で公式でYouTubeにアップしている番組は珍しいと思います。そういう位置に自分を会社内で置いている、ということですね。

あと、実は今度本が出るんです。企画術の本なんですが、この中に自分は企画が局であまり採用されたことがないと書いてある。そんな人が企画術の本を出していいのかという話なんですけど。

澤本:タイトルは何というんですか?

権八:壮大な後編への前フリが(笑)。

角田:そう、前フリが(笑)。タイトルは『成功の神はネガティブな狩人に降臨する-バラエティ的企画術』です。訳わからないでしょう?出版社の方といろいろと話し合って、むしろその方が面白いと思って決めました。バラエティ的企画術という風に銘打ってます。

中村:残念ながら、お時間が来てしまいました。角田さん、今日はありがとうございました。後編に続きます。番組への質問や感想などはsuguowa@tfm.co.jpまでドシドシ送ってください!

<END>

構成・文 廣田喜昭

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