【前回のコラム】1限目「先生!PRって何を企画すればいいんですか?」「PRにも有償のものがあるんですか?」はこちら
「片岡英彦の芸術大卒は武器になる」本日のアジェンダ
- 「のんびり屋です」って自己PRに書いたらダメですか!?
- 先生!PRでは「ポジティブ」なことだけ書かないといけないんですか?
- 「前向き」すぎる自己PR(プレスリリース)はいやらしいのか??
- 「コンテンツ・マーケティング」の「コンテンツ」とメディアが流す「コンテンツ」は何が違うのですか?
- 先生!結局…PRの文章には何を書いたらいいのですか?
- PR担当者というよりもジャーナリスト??
PRの文章(自己PRやプレスリリース)がうまく表現できずに悩む人は多い。
東北芸術工科大学(芸工大)で教鞭を執る機会をいただいた。専門は戦略PRやマスメディアだが、私自身の勉強(研究)も含めて「自己表現論」などの講義もやらせてもらっている。
少数での授業が多く学生一人ひとりに目が行き届く。先日、課題として、就活などの場を想定した「自己PR文」の作成を行い提出してもらった。一人ひとり簡単なフィードバックを行った。
「のんびり屋です」って書いたらダメですか!?
飾り気のない学生が多い。この素朴さが好きだ。目立たなくとも地道に黙々と努力する学生も多い。もっとも、学生たちを見ていると…
「もう少しうまくアピールできるのにな・・・」「自分ならこうするのになぁ・・・」と思うこともある。印象に残る学生の「自己PR」の文章があった。書き出しはこうだった。
「私の長所は”のんびり”していることです。のんびり屋です…」
えーーーーと。。。どこから寸評したらよいか。。。
【私の寸評】
- 自分に正直なことは良いこと。好感持てます。
- のんびり屋はそれ自体も良いこと。私ものんびりしたい。
- 友人や知人がプライベートな席でこういう自己紹介をしたらウケるかも。他の人とも差別化できるかも。
- でも…「面接官の立場」でこういう自己紹介を聞いたら…正直ちょっと困る。
- 理由は…仕事上の報連相(報告・連絡・相談)や顧客対応まで「のんびり」で周囲に迷惑かけると困るから。
先生!PRでは「ポジティブ」なことだけ書かないといけないんですか?
意表を突く質問が予想外に飛んでくるのが面白い。
【寸評の続き】
- 「のんびり屋」というキャラをどうしてもPRしたければ、性格は「のんびり」だけど、その「のんびり」を武器に、こんな成果をあげましたとか、他の人とは違うこんなことを成し遂げられましたとか、何らかの「オチ」(結論)を期待してしまいます。「のんびり屋」推しだけだと聴く方は拍子抜けしてしまう。
- 就活などのフォーマルな場の自己PRは、基本は「ポジ」(長所)を書きましょう。そこから自分だけの体験やエピソードに結びつけましょう。
- 仮に「短所」を聞かれても、「人を信用しすぎる」とか「頑張りすぎる」とか、「ネガ」にも「ポジ」にもとれることを書く方が無難。読んだ人が「腑に落ちる」ことが結論として大事。
…と、いくつかの事例を交えて解説した。その直後、私は自分の言葉に違和感を感じた…。