2限目「先生!PRの文章はどういう風に書けばいいですか?」「前向きすぎるPRはいやらしいですか?」

【前回のコラム】1限目「先生!PRって何を企画すればいいんですか?」「PRにも有償のものがあるんですか?」はこちら

「片岡英彦の芸術大卒は武器になる」本日のアジェンダ

  • 「のんびり屋です」って自己PRに書いたらダメですか!?
  • 先生!PRでは「ポジティブ」なことだけ書かないといけないんですか?
  • 「前向き」すぎる自己PR(プレスリリース)はいやらしいのか??
  • 「コンテンツ・マーケティング」の「コンテンツ」とメディアが流す「コンテンツ」は何が違うのですか?
  • 先生!結局…PRの文章には何を書いたらいいのですか?
  • PR担当者というよりもジャーナリスト??

PRの文章(自己PRやプレスリリース)がうまく表現できずに悩む人は多い。

東北芸術工科大学(芸工大)で教鞭を執る機会をいただいた。専門は戦略PRやマスメディアだが、私自身の勉強(研究)も含めて「自己表現論」などの講義もやらせてもらっている。

5月と8月のオープンキャンパスには揃いのオレンジのTシャツで多くの現役生が協力する。

少数での授業が多く学生一人ひとりに目が行き届く。先日、課題として、就活などの場を想定した「自己PR文」の作成を行い提出してもらった。一人ひとり簡単なフィードバックを行った。

「のんびり屋です」って書いたらダメですか!?

飾り気のない学生が多い。この素朴さが好きだ。目立たなくとも地道に黙々と努力する学生も多い。もっとも、学生たちを見ていると…

「もう少しうまくアピールできるのにな・・・」「自分ならこうするのになぁ・・・」と思うこともある。印象に残る学生の「自己PR」の文章があった。書き出しはこうだった。

「私の長所は”のんびり”していることです。のんびり屋です…」

えーーーーと。。。どこから寸評したらよいか。。。

【私の寸評】

  • 自分に正直なことは良いこと。好感持てます。
  • のんびり屋はそれ自体も良いこと。私ものんびりしたい。
  • 友人や知人がプライベートな席でこういう自己紹介をしたらウケるかも。他の人とも差別化できるかも。
  • でも…「面接官の立場」でこういう自己紹介を聞いたら…正直ちょっと困る。
  • 理由は…仕事上の報連相(報告・連絡・相談)や顧客対応まで「のんびり」で周囲に迷惑かけると困るから。

オープンキャンパスの光景。

先生!PRでは「ポジティブ」なことだけ書かないといけないんですか?

意表を突く質問が予想外に飛んでくるのが面白い。

【寸評の続き】

  • 「のんびり屋」というキャラをどうしてもPRしたければ、性格は「のんびり」だけど、その「のんびり」を武器に、こんな成果をあげましたとか、他の人とは違うこんなことを成し遂げられましたとか、何らかの「オチ」(結論)を期待してしまいます。「のんびり屋」推しだけだと聴く方は拍子抜けしてしまう。
  • 就活などのフォーマルな場の自己PRは、基本は「ポジ」(長所)を書きましょう。そこから自分だけの体験やエピソードに結びつけましょう。
  • 仮に「短所」を聞かれても、「人を信用しすぎる」とか「頑張りすぎる」とか、「ネガ」にも「ポジ」にもとれることを書く方が無難。読んだ人が「腑に落ちる」ことが結論として大事。

…と、いくつかの事例を交えて解説した。その直後、私は自分の言葉に違和感を感じた…。

次ページ 「ニュースリリースから記事が書けない!?」へ続く

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片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)
片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)

1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。
報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。同年フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者に。
2014年より「東京ウーマン」「プロフェッショナル談」編集長。Adobe(アドビ システムズ株式会社)の学生向けSNS施策の立案、日本テレビグループのLIFE VIDEO社の広報プロデューサー、iPhone5(au)戦略PRプロデューサー等を務める。2015年東北芸術工科大学デザイン工学科企画構想学科 准教授/広報部長

片岡英彦(東京片岡英彦事務所 代表/東北芸術工科大学 企画構想学科 准教授・広報部長)

1970年9月6日東京生まれ神奈川育ち。京都大学卒業後、日本テレビ入社。
報道記者、宣伝プロデューサーを経て、2001年アップルコンピュータ株式会社のコミュニケーションマネージャーに。後に、MTVジャパン広報部長、日本マクドナルドマーケティングPR部長、株式会社ミクシィのエグゼクティブプロデューサーを経て、2011年「片岡英彦事務所」を設立。企業のマーケティング支援の他「日本を明るくする」プロジェクトに参加。同年フランス・パリに本部を持つ国際NGO「世界の医療団」の広報責任者に。
2014年より「東京ウーマン」「プロフェッショナル談」編集長。Adobe(アドビ システムズ株式会社)の学生向けSNS施策の立案、日本テレビグループのLIFE VIDEO社の広報プロデューサー、iPhone5(au)戦略PRプロデューサー等を務める。2015年東北芸術工科大学デザイン工学科企画構想学科 准教授/広報部長

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