クレームが1件入っただけでも対応を迫られる時代
権八:高校球児のヌンチャクヒッターが話題になりましたね。忍者ヒッターか。
澤本:ヌンチャクみたいにバットを振り回す人でしょ。
権八:あれ面白いね~。
澤本:滑川総合高校だっけ。
中村:しかも、あの子は代打なんですよね。バッターがバットをクルクルとヌンチャクのように回して、ドカベンの殿馬(とのま)みたいなパフォーマンスをして。
権八:若い世代のリスナーは何のことかわからないと思いますけどね(笑)。
澤本:ドカベンの殿馬を知らないもんね。ドカベンも知らないから、秘打・白鳥の湖と言っても誰もわからない(笑)。
権八:俺もわからない(笑)。ヌンチャクはダルビッシュも面白がってリツイートして、大リーガーも注目しているという。ただ、ああいうのね、すぐけしからんとか言うんですよね。
中村:これも高野連に注意されちゃいましたね。こういうことをするなと。
澤本・権八:いいじゃんね~。
権八:すぐクレームを言うんですよね。
澤本:でも、入るバッター全員が毎回あれやっても困るね(笑)。
中村:いいような気がしますけどね。動画見ましたけど、この子は結局ゴロで終わったんですよ。だんだん、みんながやるようになると自浄作用で、これだけパフォーマンスをしといて打てなかったら恥ずかしいみたいになると思うんです。パフォーマンスをやる奴はうまい奴みたいになったほうが、甲子園もキャラ立ちして面白いんじゃないかなと。
権八:なるほど・・・どうだろう(笑)。色々な子が違った形のパフォーマンスをやってくれたら面白いですけどね。やらないんだろうな。
澤本:やらないよね。やったら怒られるんだろうなぁ。
中村:動画はもうすでに878万回も再生されています。これが放送される日には1千万回ぐらいいってるんじゃないかと。
澤本:すごいね、1千万回って。
権八:世界的に広まってますからね。そういうクレームで言うと、澤本さん、さっき別の話題もおっしゃっていましたよね。
澤本:会田誠さんの美術作品ね。東京のどこかの美術館(編集部注:東京都現代美術館)でやっていた美術展から会田さんの奥様とお子様と一緒に書かれた「檄文」というアジテーションみたいな巨大な文があって。「文部科学省に物申す」と文部科学省の人たちに対して、何か色々と書いてるんだけど、それを含めてアート作品なんだよね。
権八:ですよね。その態度とかを含めてアートですもんね。内容はどういうものですか?
澤本:文部科学省の人は学級人数を増やそうとしているけど、むしろ減らすべきだとか、そういうことが書いてあって。
中村:真っ当なことですね。
澤本:真っ当なことで、みんながチョコチョコ言っていることを文字にして叫んでいるという。それは会田さんだけじゃなく、奥様とか、10代前半ぐらいのお子さんも書いている。なんかこうリアリティがあって面白いなと。
権八:面白いですね。会田家ってなっているわけですね。
澤本:そう、作家名が会田家という作品。面白いと思ったんですけど、僕はその作品を撤去されるというニュースで知ったんだよね(編集部注:その後美術館側からの撤去要請は撤回された)。これはけしくりからんとおっしゃった方がいて、確かに、けしくりからんのだけど・・・。
権八:けしくりからん(笑)。
澤本:でも、アート作品なんてみんなけしくりからんからね。
権八:そうだよね。これは会田さんお得意のエログロなものとは全然違うわけですよね。
澤本:全然違うよ。普通に見られるものだったけど。
権八:何でもそうやって1件クレームが入ったら撤去と。1件なんでしょ、クレームも。
澤本:そう聞いたけどね。本当かどうかはわからないけど。
権八:何かそれこそつまらないですよね、そうやって表現が細っていくというか。