マイケル・ジャクソンの話だけをして内定をとった子がいる
中村:今、放送作家からタレコミ情報が届きました。澤本さんが、マイケル・ジャクソン好きで実際に会ったことがあるという子に「マイケルの話だけしたら?」と言ったら、その子が本当に受かりまくっていたというエピソードがあると。
澤本:あぁ、それ言ったね。OB訪問に来たときに「何が好きなの?」って聞いたわけ。みんな真面目で、だいたいサークルの副部長だったとか多いじゃない。そうじゃなくて、「本当に何が面白かったの? 他の人よりも自分がちょっと面白かったことは?」と聞いたら、マイケル・ジャクソンのファンで、会おうとして努力をしたという話がすごい面白かったの。だから、マイケルの話だけすればいいんじゃないのって言って。少なくとも今、面白かったよと。その人がマイケルの話をして入ったという話を聞きました。
中村:実際に自分が人事部だったら、「あのマイケル・ジャクソンの子は面白かったよね」みたいに言いやすいですよね。
権八:あと、好きなものを語るときのその人の分析だったり、どうして好きかとか、こういうきっかけで好きになったとか、色々な思いを語るうちにその人の色々なことが出るんですよね。ポジティブな何かが出るんですよ。
澤本:OB訪問で話をしてると、学生が自分で書いてることって、みんな真面目に書くからさほど面白いこと書いてないじゃない。バスケサークルに入ってましたとか、そういうのはだいたい面白くない。一個思い出したのが、実家が九州の酒屋だという人がいて、本当にお客が来ないんですよと言っていて。自分がつくった広告で実家の酒屋にたくさんの人がビールを買いに来たりするといいなと思っていると。それいいね、実家が酒屋だって話だけしなよと言って。実家が酒屋で、どうしたら救えるかを考えて話せばいいんじゃないのと言ったら、その子は電通に入って、今はコピーライターをやってる。
一同:へー!
澤本:でも、それってたぶん、その話についてしゃべろうとするときに真剣にしゃべれるんだよね。本当のことだから。カッコつけてじゃなくて、本当に自分がその気持ちになってしゃべれるから、その話が面白かったりとか、熱意があって聞こえる。表面上整えて考えていったものはすぐボロが出ちゃうからさほど面白くないしね。
中村:難しいですね。私は小さい会社で面接をしているほうなので。
澤本:ヒロキくんはそうだよね。どうやって採ってるの?
中村:基本的には2つしかなくて、その人が何をやってきたかということと、何をやりたいかということです。あとは話しているときの、その人のキャラを見る。その3つか2.5ぐらいしかなくて、最後のキャラを見るときに、面接だけは最高だったけど、化けの皮を剥がしてみたら全然ダメということが起きないように瞬発力でやらせるということをやってるんじゃないですかね。何をやっていたかでいうと、やってなかった人はしょうがないので、今の時期に。
権八:まぁ、そうだよね。
澤本:確かに。今の話を聞いていて思い出したけど、昔フジテレビに横澤彪さんっていたじゃない。横澤さんが面接のときに無理な質問をする、想定外な質問をすると言っていて。それに対するよい答えを求めているんじゃなくて、どういうリアクションをするかとか、全く想像していない問題だから、素になると。それを見てるって言ってたね。