日本新聞協会が主催する第35回「新聞広告賞」の受賞作品が3日発表され、広告主部門から選ばれる新聞広告大賞には、資生堂の「2015企業広告 50selfies of Lady Gaga」が選ばれた。
人気歌手レディー・ガガのセルフィー(自撮り写真)50種を、全国紙、ブロック紙、県紙の50紙にそれぞれ1種ずつ掲載した正月広告。「その人がその人らしく生きること」を主張する世界的アーティストを起用することで、生活者目線を徹底するという資生堂の姿勢を伝えた。
多くのフォロワーを持つガガ自身のツイッターにも広告掲載が告知されると、国内外で大きな話題を呼び、圧巻のキャスティングと全紙切り替えという仕掛けが、特に10代、20代といった若年層の注目を集め、ネット上でも拡散された。
起点となった新聞広告の媒体価値を高め、新たな可能性を感じさせた作品として、高く評価された。
広告主部門はこのほか、世界文化遺産に登録されている姫路城の「平成の保存修理」の模様を記録し、世紀の難工事に誇りと情熱をもって挑む姿勢を伝えた鹿島建設のシリーズ広告や、もっと和食の魅力を知ってほしいという企業の思いを、「おいしい記憶」を呼び起こす日常のストーリーと彩り豊かなグラフィックで伝えるキッコーマンのCMなどの5作品が新聞広告賞に選ばれたほか、10作品が優秀賞を受賞した。
新聞社企画部門では、創刊140周年を迎えた秋田魁新報が、人口減少などの暗い話題が目立つ秋田を活気づけるべく同県出身の女優・佐々木希を起用した広告や、富山県の象徴をテキスタイルデザインで表現した紙面で朝刊本紙を包んだ企画を4日連続で展開した北日本新聞社「富山もようプロジェクト」など、5作品が新聞広告賞を受賞した。ほか5作品が奨励賞に選ばれた。
応募数は、広告主部門は前回より17件減の348件、新聞社企画部門は6点増の66件だった。贈賞は10月20日、都内で開かれる「新聞広告の日」記念式典で行われる。
新聞広告賞を受賞した10点は次の通り。