【前回のコラム】「あなたのブランドは「差別化」というワナに囚われていませんか?」はこちら
マーケターは新しさにどう対応するか
デジタルマーケティングのように日々新しいテクノロジーが生まれている現代、マーケターはとにかくイノベーションを求めるために「新しさ」に振り回されがちです。それは言い換えれば、「何が新しいのか」もしくは「どう新しいのか」という部分に、意識が向いてしまうということです。
「新しさ」に対応するには通常、二種類の方法があると思います。一つ目は、「新しさはそれだけで意味がある」と考えていち早く対応していく方法。二つ目は、「本質的には何も新しくない、やり方のみが変わっているだけだ」と、従来のやり方と比較して様子を見ながら対応していく方法です。
前者を選択するにしても、現実的には、所詮すべての新しいアイデアを吟味することは難しい状況です。したがって多くのマーケターは、結果的に後者の対応をとることを余儀なくされているでしょう。
自分自身もマーケターとしては、新しい手法について興味関心は強いのですが、いざ自社のブランドに取り入れるとなると途端に尻込みしてしまうことがあります。そんな時に自分自身が「新しさ」に対応していくときに、心がけている三つのアプローチを紹介したいと思います。
1.パブリシティ効果が望める「新しさ」に注目する
マーケティングにおいても、「新しさ」というのはそれだけで一定の価値があります。だからこそ、新しさを追いかける場合は、マーケティングの手法としてどれだけ副次的なパブリシティ効果があるかを考えてから選択するのもひとつの方法です。
この際の判断としては実際にこのマーケティング手法を実施する際に、どれだけニュースとして、取り上げてもらえるかを冷静に判断することと、それを含めたPR計画を立てる必要があります。
実際に、行う前に「業界として新しい試みかどうか」「消費者にとってどんな新しさとしてインパクトがあるか」などを自社からそのようなニュースを扱うメディアにラフなインタビューをするのもひとつです。ただし、このアプローチはマーケターが副次効果として狙うぶんには良いのですが、あまりに「新しさのためだけの新しさ」を狙うだけだと実際のマーケティング手法としては意味がなくなってしまいます。特に、それが失敗した際にあまりいいPRにならないことも考慮すべきです。
ニューバランスとしては以前Facebookのコマース連携をトライした際に、PRとして取り扱ってもらいましたが、結果的にはFacebookのインターフェイス自体が変わってしまったことによって、あまり良い結果にならず、すぐに施策としては終了したことがあります。