デジタル環境の浸透で誰もがメディアを持ち、発信できる時代になっている。そのコミュニケーションにおいて欠かせないのが、ビジュアルだ。企業が発信するコンテンツ量が増大すればするほど、無数のビジュアルが必要とされる。しかしデザイン、そしてデザイナーを取り巻く環境が急激にアナログからデジタルへと移行したことで、著作権侵害など写真やイラストなどのビジュアル利用におけるトラブルが相次いでいる。そうしたなか、市場を拡大させているのがシャッターストックはじめとするストックフォトサービスだ。今年8月、6100万点以上の著作権フリーの写真を定額利用できるWebサービスを世界150カ国で展開するシャッターストックのマーケティング最高責任者のGokhale氏が来日。デジタル時代のストックフォトサービス市場の可能性を聞いた。
——日本市場の特長をどう見るか。
日本は世界的に見ても、非常にユニークな市場だ。日本人の感性は鋭く、デザインも繊細で美しいものが多い。加えてユーザーエクスペリエンスに対する評価がシビアなので、顧客中心をモットーとする当社にとって、非常に収穫のある意見をくみ上げることができる。こうした環境から、当社にとって魅力的な市場と言える。今後も成長を見込んでいる。
——シャッターストックの強みとは?
データドリブンな企業風土だ。日々ユーザーの検索履歴を蓄積・分析し、国別のクリエイティブのトレンドを分析。この分析を基に各市場に適した形に日々、サービスを改善している。日本では昨年、スキンケアやマッサージをはじめとするスパにまつわるクリエイティブが多くダウンロードされた。また、今年は書類や抽象的なイラスト、和柄、インクなどが人気だ。
——今後、どのようなチャレンジをしていくのか?
2006年にロイヤリティフリーの動画ストックサービスを、2014年に音楽のストックサービスを開始した。動画は既に300万点が掲載されている。ロイヤリティフリーの音源や動画のマーケットプレイスはこれまで無かった上、動画コンテンツの市場は拡大し続けており、大きな市場性を見込んでいる。
イメージ企業としてのビジネスは、創業してからの12年間、自然に拡大し続けているが、今後は領域を拡げ、デザイナーのワークフローをよりシンプルに・簡単にするための支援も行っていきたい。常に顧客中心で考え、ユーザーのニーズにこれまで以上に寄り添ったサービス展開をしていくつもりだ。
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