スマホでも広告ブロック 独大手がWeb閲覧アプリを配信開始

ドイツの広告ブロックソフト大手アイオー(Eyeo)は8日、スマートフォンで広告を表示させずにWebサイトが見られるアプリ「アドブロック・ブラウザー(Adblock Browser)1.0」の配信を始めた。米アップルのモバイル端末向けOS「iOS」と、米グーグルの同「Android OS」両方に対応する。同社は、「アドブロック・ブラウザー」の使用で、モバイルデータ利用量を半分に抑え、バッテリーの消費量も約20%下げられると主張している。

アイルランドのIT企業ページフェアとアドビシステムズの共同調査では、世界の広告ブロックソフトウエアの利用者は1億9800万人。ほとんどがパソコンのWebブラウザーでの使用だが、モバイル端末にも浸透が進む。

アイオーは2013年、他社のWeb閲覧ソフト(ブラウザー)も含め広告を表示させないAndroid向けアプリを公開したが、米グーグルのアプリダウンロードサイト「Google Play」から「他の製品・サービスを侵害する」として、配信を止められた経緯がある。同社は開発方針を横断的なアプリから専用Webブラウザーに切り替え、米モジラ財団のWebブラウザー「FireFox(ファイアフォックス)」をベースにした試験版を今年5月に公開。利用者から意見を集めていた。「iOS」用には、非公開の招待制で使用テストを続けていた。

米アップルの最新版「iOS9」でも、広告を表示させない基本機能が盛り込まれる見通し。発表は日本時間では10日未明。広告ブロックがスマートフォンでも広まる機運が高まってきた。

アイオーの運営資金の一部は、例外的に広告を表示できる一部の大手サイトやアドネットワークから受け取る費用で賄われている。

「アドブロック・ブラウザー(Adblock Browser)1.0」の設定画面。Webサイトごとに広告表示のオン・オフを設定できる(写真左)。トラッキング(ユーザー追跡)のシャットアウトや、ソーシャルメディアでの共有ボタンを消したり、「広告ブロックを止めてください」といったメッセージも非表示にする機能も(写真中)。例外的に広告を表示できる大手サイトやアドネットワークもある(写真右)


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