社内に存在するデータをさらに有効活用する
佐分利:IoTが進んでいけば行動データがたくさん蓄積されるので、それに基づいた的確な顧客対応ができるようになります。ただ、攻めのマーケティングと同時に、守りのマーケティングも考えなければいけません。IoTでは個人情報等のインフラを、責任を持ってしっかり考える必要があります。iBeaconのようなこれからさらに活用が進む分野の話だけでなく、直近でもIoTデータの活用は可能です。例えばB to C企業がIoTのさまざまなデータと売上データとを重ねるだけでも、いろいろなことが見えてくるはずです。
加藤:オンラインや様々なセンサーで取得したデータから顧客体験をつくるには、データを読み解いたうえでUXをデザインできるプランナー・クリエーターが必要です。ただ、その前にデジタル活用の道を広げておかなければ、日本企業は世界から取り残されていくかもしれないと危惧しています。
佐分利:企業の経営層がデジタルを経営の重要事項に据えれば日本はもっと変わるはずです。米国では2013年にW eb広告費がテレビを上回りました。デバイスが増え、UXが重要になり、複数のメディアを使ったクロスチャネルのキャンペーンがますます重要になっています。デジタルマーケティングに国境はありませんから、日本はもっと力をつけなければいけません。
デジタルマーケティングの素晴らしい点は、国境だけでなく資金的なハードルも低いところです。広告も、ターゲットを絞って少ない資金で行うことができます。しっかりとしたデジタルマーケティング戦略を持っていれば、企業規模にかかわらず、認知・検討・購買のプロセスを最適化できます。
加藤:組織、人材育成、業務プロセスなど、企業の課題は尽きませんが、アドビさんが持っているテクノロジーと当社のクリエイティブやデータ・アナリティクスの力をうまく融合して、日本企業のデジタルシフトをもっと促進していきたいと思います。
企業は、我々のようなデジタルマーケティングの支援企業をもっと上手く活用できると思います。そのためにも、できるだけ早い段階で相談してもらいたいです。そうすれば、我々が持つ知見も提供した本質的なビジネス成果を、これまで以上に提供することができると思います。
佐分利:企業がデジタルマーケティングに詳しい若手人材に思い切って任せられるような環境づくりをサポートしたい。そのためにもIMJとのパートナーシップは欠かせません。企業文化の理解を深めつつ、企業成長の原動力となるカスタマーエクスペリエンスの向上を実現させていきましょう。
編集協力:アイ・エム・ジェイ