【メディア部門】
グランプリ
タイガーエア台湾「Infrequent Flyers Club」(McCann Melbourne/オーストラリア)
オーストラリアのLCCを利用する人は、既存の航空便を利用する人に比べて、飛行機に乗る頻度が低い傾向がある。そこで、台湾の格安航空会社(LCC)・タイガーエアがつくったのが、多くの航空会社が実施する「Frequent Flyer Program(マイレージサービス)」に対抗した「Infrequent Flyer Program」。
会員特典は、ペラペラの紙を自分で切り抜いてつくる会員カード、同じく紙でつくれるラゲージタグ、機内食を自分でつくれるレシピブック…。すべて公式サイトでダウンロードすることができる、“くだらない”特典を用意し、LCCならではの手軽さをユーモアたっぷりに訴求した。
同施策は、アドフェスト2015でもダイレクト部門でゴールドを受賞した。マッキャンメルボルンは、カンヌライオンズ2014で5部門のグランプリを獲得した「Dumb Ways to Die」を手掛けたエージェンシー。
日本の受賞作品
ゴールド
・日産自動車 日産エクストレイル「THE XTREME DELIVERY」 (TBWA\HAKUHODO)
日産自動車が、SUV車「エクストレイル」のプロモーションを目的に、宅配ピザ「ピザーラ」とコラボレーションして実施したキャンペーン。
コンセプトは、「世界一タフなピザデリバリー」。エクストレイルや、さまざまなアウトドアスポーツギアと、それを乗りこなす“デリバリースタッフ”により、今まで配達不可能だったエリアにピザを届けることに挑戦した。
キャンプ場などに設置されたオーダー専用ボックスから受けた注文に対し、「高度3600Mから、スカイダイビングで」「激流を乗り越え、ラフティングで」「湖上を颯爽に駆け、ウェイクボードで」「どんな悪路もなんなくと、マウンテンバイクで」と、さまざまな方法で、特殊ケースに入れたピザをデリバリー。
日産ブランドのメッセージ「今までになかったワクワクを」を体現した。
シルバー
・TSUTAYA「PANICOUPON(パニックーポン)」(博報堂+IMJ)
・本田技研工業 UNI-CUB「OK GO: I WON’T LET YOU DOWN」(もり+モリモリ)
ブロンズ
・アインズ&トルぺ「Interactive Shop Window “LOOKS”」(電通)
・アウディ Audi A3 スポーツバック「Audi Showroom Home Delivery」(電通)
・ひらかたパーク「HIDE ‘N RIDE」(博報堂DYメディアパートナーズ)
・ネスレ日本「切符カット」(JWT)
・P&G パンパース「MOM’S 1ST BIRTHDAY ママも1歳、おめでとう。」(ビーコンコミュニケーションズ)
・道産食彩HUGマート「トーカブル・ベジタブル」(博報堂+北海道博報堂+博報堂アイ・スタジオ)※2カテゴリーで受賞
・毎日新聞社「GREEN NEWSPAPER」(電通)
【モバイル部門】
グランプリ
Samsung Electronics「Look at Me」(Cheil Worldwide Seoul/韓国)
サムスンが、ソウル大学や延世大学の研究者や医師と共同開発した、自閉症児支援アプリケーション。スマートフォンのカメラ機能と顔認識機能を使ったゲームを通じて、自閉症の子どもの多くが苦手とする「相手と視線を合わせる(アイコンタクト)」という行為の練習をさせるとともに、コミュニケーションスキルの向上を図ろうとするものだ。
周りの人のさまざまな表情の顔を撮影して、保存した顔写真の中からお題に合う表情を選び取り、正解するとポイントが貯まる。アプリには、サウンドやビジュアルの演出や、難易度の調整機能、ポイントシステムなど、子どもの関心を引く工夫がちりばめられている。
開発チームが行った実験によると、このアプリを8週間にわたり継続して使用した結果、被験者の子どもたちの60%にアイコンタクトや、相手の感情を認識する能力に何らかの進歩が見られたという。
日本の受賞作品
ブロンズ
・YAHOO! JAPAN 東宝 映画『STAND BY MEドラえもん』 「のび太と空中散歩」(電通+バスキュール)
・日本テレビ放送網 箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)「箱根駅伝 ニュースフラッシュバナー」(博報堂)