2020年の東京五輪エンブレムが白紙撤回となった問題で、大会組織員会は28日、新たにエンブレムを選ぶための委員会を発足させた。東京藝術大学の宮田亮平学長を座長とする準備委員会を経て、デザイン、アートだけでなくスポーツや法曹、福祉など、各界から広く19人を集めた。メンバーを増やす可能性も示した。宮田座長のほか慶応義塾大学大学院の夏野剛特別招聘教授、元プロテニス選手の杉山愛氏ほか、準備員会のメンバー6人全員も新委員会に参加する。
この19人で、エンブレム案の応募方法や審査、選定にあたる予定。準備委員会の座長を務め、新委員会の委員長に就いた宮田学長は、「一次から丁寧に、段階を踏み、最終選考にたどり着きたい。委員会メンバー以外にも多くの方に参加いただきたいが、なるべく公募を早く始め、審査に時間がかけられるようにしたい」とした。一方で企画財務担当の中村英正局長は「審査過程への一般参加はやり方を含めて検討中。当然応募が増えるとそれだけ審査するデザイナーも必要になるだろう」とした。
今回選出されたエンブレム委員会のメンバーは以下のとおり(50音順・敬称略)
[委員長]
- 宮田亮平(東京藝術大学学長)
[委員]
- 今中博之(素王会理事長)
- 榎本了壱(クリエイティブディレクター/京都造形芸術大学客員教授)
- 王貞治(福岡ソフトバンクホークス取締役会長/世界少年野球推進財団理事長)
- 柏木博(武蔵野美術大学教授)
- 志賀俊之(日産自動車取締役副会長)
- 杉山愛(スポーツコメンテーター/元プロテニスプレーヤー)
- 田口亜希(パラリンピック射撃日本代表/パラリンピアンズ協会理事)
- 但木敬一(弁護士/元検事総長)
- 田中里沙(『宣伝会議』取締役副社長兼編集室長)
- 夏野剛(慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特別招聘教授)
- 西崎芽衣(ならはみらい事務局)
- 長谷川祐子(東京都現代美術館チーフキュレーター/多摩美術大学教授)
- 林いづみ(桜坂法律事務所弁護士)
- フミ・ササダ(ブラビス・インターナショナル代表取締役社長)
- 松井冬子(日本画家)
- 松下計(東京藝術大学教授)
- マリ・クリスティーヌ(異文化コミュニケーター)
- 山本浩(法政大学スポーツ健康学部教授)
新委員会の第1回会合は29日に開き、第2回も10月初旬に行う予定。