世の中は“謎”に対する需要であふれていた!「リアル脱出ゲーム」誕生秘話(ゲスト:加藤隆生さん)【前編】

妄想していた期間が長いのでアイデアが尽きる気がしない

中村:加藤さんは印刷会社に就職してから、10年間フリーペーパーのイベントをやっていた時期があったじゃないですか。1回、印刷会社は辞められた?

加藤:そうです、2年で辞めて。あ、でも、そのフリーペーパーに至るまでも印刷会社を辞めてから5年ぐらいは家でゴロゴロしていて。床ずれできるほどゴロゴロしていて。

一同:

中村:ニートだったんですか?

加藤:完全にニートですね。一応、人から聞かれたら「ライターです」って言っていたけど(笑)。ほぼニアリーイコールみたいなところはありますね。

中村:リアル脱出ゲームができたのが2007年。そこからいきなりボーンと、それこそスマスマでも取り上げられるぐらいまで急速にのしあがっていったということですよね。

権八:スクラップという加藤さんの会社が何人ぐらいの組織とか、全体像が全然見えないんですけど、どうなってるんですか?今アメリカのほうで何をやっていて、とか。

加藤:社員自体は全部で30人ぐらいですね。契約社員も何人かいるし。

権八:それは国内ですか? アメリカやシンガポールにも別に事務所があるということ?

加藤:アメリカは現地法人ですが、それ以外は関係会社に契約してやってもらっています。社員ではないですね。

権八:脱出のテーマだったり、設定だったり、それこそ物語・ストーリーみたいのは加藤さんがお書きになるんですか?

加藤:そうです、基本的には僕が書きます。虐げられた期間があまりに長かったので、34年ぐらいゴロゴロして暮らしているうちに、こんなことがあればいいのになとか、こんな風になればいいのにな、と考える時間がふんだんにありすぎたんだと思います。

中村:妄想のストックがたくさんあると。

加藤:尽きる気がしないですね(笑)。

権八:先ほど有名人を呼んでイベントをやっていないとおっしゃっていましたけど、最近は有名なコンテンツとのコラボも。

加藤:最近はお話をいただいて、ありがたいことです。

澤本:こういうのは向こうから来るんですか? コラボしましょうよと。

加藤:そうですね、僕らは基本的にずっと手一杯な会社なので、こちらから何かを提案してやってもらうみたいなことはなくて。話をいただいて受けていくという感じですね。

中村:僕はいくつか広告を一緒にやらせてもらっていますが、広告もそうですか?

加藤:僕らみたいな謎をつくれる会社を求めている会社なんてどこにあるのか全然わからないから。ある意味、どこの会社でもできるし、どこの会社でもできないので、営業先がわからないです。

澤本:洋基くんが組むときってどういうふうに組むの?

中村:たとえば、今やっているサントリーの「集中リゲイン」というドリンクもご一緒してるんですけど。集中力を高める効果があるドリンクなので、キャンペーンでは集中力のことばかり研究している教授がいるという設定にしているんです。その教授が集中力を高めるための問題を国民に出すという設定にして、その問題の中身をスクラップに考えてもらっています。

澤本:じゃあ洋基くんが考えるのは集中力教授がいて、問題を出すところまでで、そこからは加藤さん一緒に考えようよと言ってお話させていただいていると?

加藤:洋基さんとの仕事はだいたい洋基さんが大まかな流れや設定やストーリーを考えてくれて、僕らは謎をつくることに専念するということが多いですね。

澤本:謎をつくることが仕事っていうことですか?

加藤:そうですね。

中村:謎を来週までによろしく、というと、謎があがってくるんです(笑)。面白いですよね。そういうフローの仕事ってないですから。

澤本:面白い。来週までに謎10個お願いしますと言うと。

中村:あがってきます。

加藤:どうぞご用命はお気軽に(笑)。

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