100億あればインタラクティブなディズニーランドのような空間を創りたい
中村: CMとコラボはまだやってないんじゃないですか? TBSでバカリズムさんがやっていた「リアル脱出ゲームTV」みたいに、50分の中で謎を解かせてという番組コンテンツはありましたよね。あとWEB広告とコラボはしていたんですけど、CMはないなと思って。
加藤:そうですね。ただ、謎というのは問題が出されるからには答える場所と正解を教えてくれる場所が必要で。“往復の仕組み”をつくらないといけないんです。それでテレビのデジタル放送でやろうとしたのがリアル脱出ゲームTV。1つの結論でしたね。
中村:4色ボタンの中に謎が仕込まれていたみたいのもありましたね。
加藤:そうですね。テレビのコントローラーの矢印をピッと押しただけで、いきなり地球に発射するロケットが操作できて、ドラマの最後でその結果が描かれる、みたいな。
中村:テレビCMは納品型だから、あの仕組みが使えないんですよね。CMでも使えたり、リアルタイムに結果が変わる長尺のテレビCMができたらコラボできるような気がしますね。
加藤:テレビCMはたまたま見るものだから、解く人がグッと根を詰めて解きたいと思ったその瞬間に問題がないというのも1つ弱点にはなるかもしれない。そこの弱点を逆にメリットに変えるようなアイデアがあれば。
権八:昔、JRのCMでキョンキョンが「答えは15秒後」というなぞなぞをかけて、15秒後にサンドイッチして答えを言うみたいな、そういう構造のCMがありましたね。だいぶ昔ですけど。名作とされてます。
中村:CMは拡散力、リーチ力が素晴らしい。金曜ロードショーで『天空の城ラピュタ』を見たら、みんなが「バルス」と同じ瞬間につぶやいて、それが「同じ瞬間につぶやかれた世界一の記録」になるみたいな。だから、「日本全国が~」みたいなダイナミズムはもしかしたらCMの中にあるのではと思ったりしますね。ちなみに、今後リアル脱出ゲームはどうなっていきますか?
加藤:基本的には、この7年間も含めて今まで将来のビジョンなんて持ったことがなくて。あそこでこうなりたいみたいな感じも別になく、とにかく今来ている足元の仕事をきちんとやっていくということですね。今、目の前にいる人を喜ばせるということをやってきたらこうなったので、それはすごく良いやり方だったなと思っています。会社が8年目を迎えて、何となくボンヤリと思うのは、僕らのイベントってプレイ時間が1時間、解説と司会の時間を合わせると90分~100分ぐらいなんです。だから、1日中楽しめる場所みたいなのがつくれたらいいなと、ボンヤリ思っていて。
中村:1日中遊べる場所。
加藤:ストーリーのあるディズニーランドみたいな。インタラクティブなディズニーランド。やっぱりディズニーランドってアトラクションに乗って、基本的には世界観を浴びるものだと思うんですけど、僕たちがミッキーの幸せに介入できるような、彼らを手助けできるようなディズニーランドがあればいいなと思う。誰かがポンと100億ぐらいくれたらなと思っています(笑)。
中村:100億円お持ちのリスナーさんはぜひ。はい、今回のゲストはスクラップ・加藤隆生さんでした。ありがとうございました!
いかがでしたか? 澤本さん、権八さん。
澤本:リアル脱出ゲームというものを、今日聞いて、やっとちゃんと認識した感じかな。演劇に近いんだというのを聞いて、なるほどなと思いました。
権八:かなり色々な方面から考えられて、緻密に構築されて、丁寧に丁寧にお仕事をされているのが伝わってきました。それがフリーター時代の怨念というか、リベンジなのじゃー!みたいなモチベーションからなのも面白い。個性的だし、目の前で作っているものをとにかく面白いものしたいというところは、ピュアだしね。緻密でピュアというのが素敵だし、刺激を受けました。
中村:本当に、行ってみるとすごく面白いですよ。さて、次回は武井荘さん、就活コラボです。質問やコメントは番組のメールアドレスsuguowa@tfm.co.jp、もしくはFBまでドシドシお願いします。
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構成・文 廣田喜昭