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審査基準はグローバルスタンダードへ

井口:今のお話は、そのままPRアワードの審査のポイントにつながりそうですが、評価基準はどのようになっていますか?

冨岡:実は今年から少し、基本評価基準を見直しました。もちろん今までも共有認識としてはあったのですが、わかりやすく明文化しました。一つ目がStrategy&Research(課題解決のための戦略性)、次がIdea(課題解決のための独創性)、そしてExecution(活動内容の専門性または完成度)、最後がDocumented Results(目標に対する直接的・間接的成果、社会的または業界的影響力)です。

今年、明文化された4つの「基本評価基準」。
各部門の比重はエントリーシートに公開されている。

これらは、世界のアワードの審査基準にも近しいところがあると思うので、この4つの視点でご自身の活動の内容を見直していただくと、PRアワードだけでなく、アジアや世界アワードの応募にもつながっていくのではと思います。

井口:カンヌライオンズのPR部門も同じ視点で評価していますね。PRアワードは、マーケティング・コミュニケーション部門、コーポレート・コミュニケーション部門、ソーシャル・コミュニケーション部門そして、イノベーション/スキル部門の4部門の募集ですが、どの部門でも同じ審査基準ですか?

冨岡:先に挙げた4つの基本審査基準は共通ですが、各部門で重視する視点が若干異なります。Webに掲載している今年のエントリーシートに、詳しい審査のポイントや比重を公開しているので、ぜひその審査基準をご覧いただき、その視点で見た時に、ご自身の活動のどこがキラリと光るのか、なにがポイントになるかを見定めていただきたいです。

井口:ひとつのエントリーが視点によって、複数部門に該当するってことはあり得ますからね。PRアワードでは部門の重複エントリーはできないので、自分の活動がどの部門によりマッチしているかということはよく考えるべきですね。審査はどのようなステップで行われますか?

冨岡:審査は3ステップです。4部門にそれぞれ審査委員長と、その部門に造詣の深い有識者や受賞経験者などの審査員、合わせて5名の方々でまず部門審査をしていただきます。次に、4 部門から選出された作品をもとに、各部門審査員長4 名が一堂に会し、各部門間のレベルを検証する合同審査が行われます。そして、合計で十数作品が最終審査に進みます。最終審査は、エントリー者によるプレゼンを経て決定されるもので、5名の特別審査員、4部門の審査委員長、そして40~50名の一般審査員が付ける得点の総合計でグランプリが決まります。

井口:かなり多くの人が審査に関わるのですね。最終審査の審査員の持ち点はみな一緒ですか?

冨岡:最終審査において、審査員は全員、1~3点で評価しますが、特別審査員と審査委員長は有識者やPRの実務家なのでその視点は重視され、得点は5倍に計算されます。一般審査員は公募です。組織票などを避けるため、1社2名までという制約はありますが、PRSJの会員、非会員に限らず、ご興味のある方はどなたでもご参加いただけます。

井口:開かれた審査会なんですね。

冨岡:多様な視点で審査されるようになっています。また、最終審査に向けた各プレゼンは、審査員でなくとも聴講することができるので、ナレッジシェアのためにもぜひ多くの方にお越しいただきたいですね。

次ページ 「今は手法をオープンにして「共創」する時代」へ続く

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