マクロミルは8日、新たな代表執行役グローバルCEO(最高経営責任者)として、スコット・アーンスト氏が就任したと発表した。前任のハン・デ・グルート氏は取締役に退く。
アーンスト氏は、2014年8月まで、WPP傘下の調査会社ミルウォード・ブラウン・デジタルや、その前身のコンピート社の社長を計12年間務めた人物。同社は、ネット上の消費者行動分析や、マーケティング効果測定を強みとする。アーンスト氏はほかにも、ハブスポット傘下のマーケティング・オートメーション企業や、日用品Eコマース、画像認識テクノロジーの新興企業などの取締役、アドバイザーを歴任してきた。
同氏のCEO就任は、今夏から水面下で検討が続いていた。昨年10月末のメトリックス・ラボ(蘭ロッテルダム市)の買収以降、本格的に海外展開に乗り出したが、その勢いをさらに加速するためだ。「少しずつグローバルの顧客を獲得できた一方で、各市場でニーズや必要とされるサービスが多様なことも実感した。前CEOのデ・グレートの意向もふまえ、各市場に対応でき、機動力の高いリーダーが必要だ、という結論に至った」(マクロミル広報)。アーンスト氏は営業出身で、陣頭に立って顧客に向かう意欲を強めているという。
マクロミルは14年5月、ベイン・キャピタルによるTOB(株式公開買い付け)を経て、非上場化している。「今回の新CEO就任は、取締役会全体で決めたこと。デ・グルートとアーンストも二人で話し合いを重ねたようだ。ベイン単独での判断ではない」(同)
新任の執行役には、元日本IBMの岡慎一郎氏(最高人材責任者、CHRO)と、元グライダーアソシエイツの佐々木徹氏を迎えた。佐々木氏はマクロミル出身で、6月に復職した。執行役日本担当兼グローバルCAOの杉山直也氏は退任した。
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