「ハロウィンの日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方

「広報会議」2015年11月号Facebookコンテンツ入門より転載

このコーナーでは企業や団体が運営するFacebookページの投稿内容などのランキングと、川上徹也さんによる解説をもとに、『広報会議』読者の皆さまへSNS運営のヒントを提供していきます。今回は2014年10月31日のFacebook投稿ランキング(自動車カテゴリ)から、ハロウィンの日にどんなコミュニケーションを展開できるか、そのヒントを探ってみましょう。

なお、このランキングデータを提供している「Belugaポータル」では、3000超のFacebookページを登録しており、月別または日別でページ全体のいいね!数やその推移、個別の投稿内容への反響などをスコア化することができます。投稿ランキングの指標となるのは①エンゲージメント率(ENG、②~④の合計をファン数で割った数値) ②いいね!数 ③コメント数 ④シェア数の4点。以上からポイントを算出して、ランキングが決定します。

(ユニークビジョン 代表取締役 白圡良之)

Pick UP!

普段は比較的コアな情報発信が多いのですが、この投稿には女性からも『カワイイ』といったコメントも届き、狙い通り幅広い層にリーチできたと考えています。

「SUBARU(富士重工業)」Facebookページ
開設は2011年10月。毎月投稿スケジュールを策定し、社内イントラで共有する。広報からリリースを発信する内容については広報部の担当から発信し、そのほかは宣伝課の担当者2人で配信。時事投稿については海外のファンのことも考慮し、グローバルマーケティング担当に問題ないかを確認の上、投稿している。

ハロウィンは商品に仮装させてみる

今回のテーマは、ハロウィンです。

アメリカの「子どもたちがお化けの仮装をして大人にお菓子をねだる」という本来の儀式とはかけ離れ、ここ数年、日本では大人が仮装(コスプレ)をして街に繰り出すイベントとして異様な盛り上がりをみせています。昨年の10月31日 のハロウィン当日、渋谷・六本木・大阪アメリカ村などでは、仮装の人たちで街はあふれかえりました。

今年はそれが全国の地方都市にも波及することが予想されます。市場規模では、既にバレンタイン市場を上回り、クリスマス市場にも迫っているともいわれています。今や無視できない大きな市場なのです。

とはいえ、Facebookでハロウィンの話題をどのように発信したらいいか分からないという人もたくさんいるでしょう。そんなあなたは、まず商品に仮装させてみるところから始めてみるのはどうでしょう?

昨年のハロウィン当日における自動車業界のFacebookページを見てみましょう。2位のSUBARU(富士重工業)は、魔女がつけるとんがり帽子を車体にかぶせ、うまくクルマ(スバルXV)を仮装させた写真を載せています。かぼちゃを顔の形にデザインしたランタンをはじめ、背景もホラーチックで雰囲気が出ています。ボディのカラーがパンプキンに似たオレンジであることも好印象です。「カワイイ」「似合う!」「センスいい」など好意的なコメントが多数寄せられました。

6位のMINIは「Trick or Treat! Happy Halloween!」というコメントとともに、車体をお菓子のキャンディ状にした写真を載せました。これも一種の仮装といえるかもしれません。

ハロウィンは本来、万聖節(11月1日)の前夜祭であることから10月31日と日程が決まっています。しかしFacebookページの情報発信を考えた場合、必ずしも当日だけにこだわる必要はありません。10月31日に向けて、商品を仮装させるための準備やプロセスを順次、公開していくという取り組みも、ストーリー性があっておもしろいかもしれませんね。それぞれ工夫してみてください。

この連載は今回で終わりです。1年にわたってありがとうございました。

データ提供:Belugaポータル


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前回の記事「「敬老の日」の投稿ランキングに学ぶ、Facebookコンテンツのつくり方」はこちら
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川上徹也(かわかみ・てつや)
湘南ストーリーブランディング研究所 代表

大手広告会社を経てコピーライターとして独立。「物語」の持つ力をマーケティングに取り入れた「ストーリーブランディング」の第一人者としても知られる。近著に『物を売るバカ』(角川oneテーマ21新書)がある。

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