「自分の価値とクオリティって、イコールではないんです」(ゲスト:武井壮さん)【後編】

40歳までに何も起こらなかったら、ゴリラの群れのボスになろうと・・・?

武井:失敗して貧乏になるんだったら別にいいやと思っていました。子どもの頃に戻るだけだから。それも楽しかったし。全然苦しくなかったから。だけど、あのときよりもたくさん手にしたものがあるから、最悪仕事をすればいいし。スポーツ選手と楽しく仕事できるし。一番最悪のパターンを考えて、銀行口座を1つ用意して、そこに18万円入れていました。当時、アフリカに行くチケットで一番安いのが18万円だったんです。それで、40歳までに何も起きなかったらアフリカへ行って、ゴリラの群れのボスになろうと思ってたんです。

一同:爆笑

武井:ゴリラの群れのボスになるためには、まずは信頼関係を築かなければいけない。ゴリラは臆病な動物なんですよ。だけど、人間味というか、感情に溢れた優しい動物なので、とにかく群れの近くで存在を感じられるところで大人しく、温和な表情で過ごすっていう。

中村:戦略的ですね(笑)。

武井:その状態で最低でも丸1カ月は過ごす。近くに来ようと何をしようと、笑顔で腹を見せて、何も抵抗する気はないよという手段をとる。で、その間に屋根付きのリビングをつくるって決めていて。ゴリラって葉っぱで雨宿りするんですよ。でかい葉っぱを傘みたいに持って雨宿りするから。

中村:トトロみたいな感じで。

武井:そう、濡れたくないんですよ。ゴリラの毛の流れも水が体内に染み込まないように下に向かって流れるようになっていて、本能的に濡れるのを嫌う動物なんです。だから、俺が快適なところで雨なのに全然濡れないよって顔してたら、たぶん興味津々な子どもとかが最初にやってくるはずなんですよ。ホーゥホーゥなんて。大人はピリピリしてるけど、子どもにそこの快適なところでバナナとかあげたりして。子どもが帰っていくときに「お父さんアイツすげーいい奴だよ」って言うはずなんですよ。

一同:

武井:ゴリラって本当に人間の6~8歳児ぐらいの知恵があるんですよ。言語もちゃんと持っていて、言語感覚もあるんです。だから、子どもたちは僕のことも絶対に伝えるはずなんです。「父ちゃん、アイツいい奴だよ、敵意もないし。大丈夫だよ、そんなに警戒しなくて。しかも、アイツのところ雨濡れないんだ、最高だよ」って言うはずなんですよ。

中村:面白いですね~。

武井:だんだん、お母さん連れで子どもが来て、優しくしてあげて。「あの人、本当に下心がないし、いいわよ。ボス、群れに入れてあげてもいいんじゃない」って。それで「アイツはフィジカルは俺らより弱いけど、頭脳的に言ったら俺らのボスでもおかしくないな」と言って、体のゴツいシルバーバックのボスと、体は細いけど頭脳担当のボス、2匹いてもおかしくないんじゃないかみたいな空気になってくると思うんですよ。

一同:

武井:群れに俺がいなきゃしょうがないみたいな空気になってくるんで。そしたら2匹ぐらい連れて、下山してこようと思ってたんです。それで空港近くとか、町の近くまで行って、ゴリラが初めて他の人間を見て、ウォーとか言って暴れてるところを俺が手を広げて制止すると、ゴリラがピタッと止まるっていう。「わーお、ゴリラを鎮めた野性的な人間がいる」って、ゴリラーマンみたいな感じでハリウッド映画に出られると思ってたんですよ。

一同:

武井:それが逃げ切りの第2弾だったんですよ。今は芸能界でそこそこうまいこといっちゃってるんで、まだアフリカへ行くのはやめようと思ってますが、最悪スキャンダルとかで干されたら、もう1回そのプロジェクトを進行してやろうと思ってるぐらいリアルに考えてました。動物の学者さんに聞いても、その方法だったらゼロじゃないねって言うんですよ。

権八:本当ですか?

武井:霊長類の学者さんに聞いても、ゴリラは確かにそれを受け入れる可能性がゼロじゃないと。

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