澤本さんに「忠告は破るためにあるんです」と言われて・・・
和田:夢という言葉がどこかにあったらいいんじゃないかとか、ラブソングではないと思いますとか。そういう話をしましたよね。・・・でも、僕はラブソングにしちゃったんですよ(笑)。澤本さんにメールして、「忠告を破ってラブソングにしちゃいました」と。そしたら澤本さんが、「和田さん、忠告は破るためにあるんです」と。かっこいいなーと。
権八:そんな“二の線”でいらっしゃいましたっけ、パイセンオブザイヤー?
澤本:いやいやたまには(笑)。
和田:忠告は破るためにあって、でもそれをまたさらに忠告するためにもあると。そこから、結構話をさせていただいて。この話をいただいたときに直感で、澤本さんのお人柄とかトータルで、絶対にやりたい、やらなきゃというのがあったんです。テーマが夢を叶えるということだし、アップテンポだなと。ということは、踊れて、僕らの主張、トライセラトップスでなければダメな要素、それは骨格がシンプルなこと。だからコードは少なくしようと思ったんです。
権八:なるほど。
和田:Jポップはコードが10個とか、20個とか、いっぱい入ってるんですね。今回の「Shout!」は4つでいこうと。タイトル決まるまでもいろいろあったんですよ。
澤本:え、それ聞いてない(笑)。
和田:スタジオで仮歌をうたったんです。そしたら全然しっくりこなくて、パーンとこないんですよ。やっべー、これタイトル違うんじゃないのみたいなことになって。でも、次の瞬間、「Shoutは?」ってどこからともなく出てきたんです。それで、シャーウト!って言ってみたら、こっちだと。それで急遽決まったんです。
権八:澤本さんは最初にスタジオで聞いて、どうでした?
澤本:すごくよかった。お世辞じゃなくて。まずすごいと思ったのは編集がしやすいわけ。テンポ的に。
権八:テンポ合いますよね、キャッチボールに。
澤本:あと、天才じゃないかと思ったのが、映像を最終的には15秒、30秒、と、長いもの、をつくるという話をしていたら、長い曲ももちろんなんだけど15秒と30秒ですごいプチッと音楽がまるでCM用みたいに切れているわけ。編集しやすい!それが大瀧詠一さんばりにうまくて。大瀧さんはもともとCM曲として15秒でつくったからね。できあがった曲がちょうどそこで切れるのがすごいと思った。だから、もらった瞬間に「ありがとうございます」って言って。ただ、本当に申し訳ないんですけど、ここの歌詞だけ変えてくださいと言った箇所がありましたね。
和田:そうそう。その結果、良くなりましたね。澤本さんがおっしゃってくれたところに限って、僕もちょっと迷ってたところだったりして、「あ、やっぱりきた」って。
澤本:春に1回そのキャッチボールをつないでいくビデオをつくリました。そしてこの間、夏にももう1回、第二弾のキャッチボールビデオをつくって、そのとき和田さんにも出ていただいて。
和田:そうなんですよ。出られると思ってなかったので。しかも、僕らの場合は3人で、ライブ会場で撮ったんです。
澤本:ライブ会場でキャッチボールしていいよというバンドはなかなかないですからね。
権八:そうですね~。お客さんも盛り上がったんじゃないですか。
和田:すごく盛り上がったんですよ。ちょうどアンコール入る直前にやらせてもらったんですけど、お客さんも喜んでくれて。