——なるほど・・・。では、田端さんが普段、仮想敵として戦っているメディアなのに申し訳ないんですが、「テレビメディア、もっとこうした方が良いんじゃないか!」っていうアドバイス、提言を伺わせていただけないでしょうか。
田端:うーん。普段、テレビ業界や広告業界の人と話をするときに感じることなんですが、みんな一口に「テレビをこれからどうしよう?」っていう話をするときに、いろんな要素がゴチャゴチャになっていると思うんですよ。
3つレイヤーがあって、ひとつは受像機としてのハードウェアであるテレビ受像機、そして2つ目がドラマやニュース、CMなどの映像コンテンツとしてのテレビ番組、3つ目にサラリーマンの集合体である企業組織としてのテレビ局です。ここを区別して考えたほうがいい。
今日はテレビ広告について、というお題なので、まずCMに限って話をしますと、かつてCMを見るデバイスは、そもそもリビングルーム、ちゃぶ台の前で見るテレビのイメージしかなかったじゃないですか。ところが今、CMを見るにはいろんなスクリーンがあります。スマホしかり、タブレットしかり、PCしかり。
僕なんかが思うのは、テレビ関連の人たち、CMクリエイターも含めて、そんなに自分がつくっているものにクリエイティブとして自信があるなら、なぜ受像機としてのテレビ画面に縛りつけられて考えてばかりいるのだろう?ということです。