——確かに、もはやテレビの編成権はユーザー側にある、と言っても良いですよね。誰にとっても無駄なことは嫌なわけですから、自然にテレビのビジネスモデルも変わってくるとは思うのですが、例えば今後、テレビ局はどのような儲け方ができそうでしょう?
田端:やっぱりなんだかんだ、伝統ある「番組」のブランド力ってすごいと思うんですよ。
例えば、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」。今は、テレビ東京っていう放送局の下に「ワールドビジネスサテライト」っていう番組があって、そこにスポンサーをつけていくビジネスモデルですが、もはやあれだけのブランド力があればテレビ番組だけである必要ないと思うんですよね。
「ワールドビジネスサテライト.com」っていうサイトを運営したりしながら、総合ビジネスメディアにして、その展開先の、たまたま一つにテレビ番組があり、ニュースサイトがあり、会員制有料サイトがある、もしかしたら、紙の雑誌があってもいい。その一つ一つでメディア横断で稼いでいけばもっと儲かると思うんですよ。テレビ局の人が、どうしてもテレビ受像機というハードと「視聴率」という概念に縛られ過ぎていると思うんですよね。
テレビ局が、その縛りを捨てたときこそ、新しいビジネスモデルの可能性が見えてくる気がします。
田端信太郎(たばた・しんたろう)
LINE 上級執行役員 法人ビジネス担当。
1975年10月25日 石川県生まれ。
1999年3月 慶應義塾大学 経済学部卒業。リクルートにて、フリーマガジン「R25」の立上げを行い、創刊後は、広告責任者を務める。その後、ライブドアにて、ライブドアニュースの責任者を経て、執行役員メディア事業部長に。ポータル、ニュース、ブログなど広告を主な収入源にするメディア事業部を統括し、ライブドアのメディア事業の再生をリードした。2010年5月には、コンデネット・ジェーピーにて、カントリーマネージャーに就任。ウェブ部門を統括。2012年6月NHN Japan(2013年4月LINEに商号変更) 執行役員に就任。広告事業部門を統括。2014年4月、LINE 上級執行役員 法人ビジネス担当に就任。法人ビジネス全般を統括。現職。
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