小さく試して次の企画につなげる
そんな中、新しい企画に積極的に挑戦しているマーケティング担当者の方々はどうやって社内を説得しているんだろう?そんな疑問から先月、adtech関西で「エンゲージメント重視のアプローチはビジネス成果につながるのか?」というセッションのモデレーターを担当させてもらいました。
【参考】マス広告による大量リーチと、エンゲージメントを重視した手法の比較に意味があるのか adtech関西で議論したいと思います。
そのセッションの議論の結論が、記事のタイトルにした「新しい企画を上司が理解してくれないなら、自分でリスクを取って成功してから報告するべし」というものです。
実際には、パネリストの方々がこのままの発言をされたわけではないですが、登壇されたユー・エス・ジェイの田村考さん、パナソニックの工藤里衣さん、ネスレの津田匡保さんという三名ともに共通しているのは、自分がやるべきと感じた施策は、小さく試して確認しながら次の企画につなげているという点です。
当然、三名の方々も、全てのチャレンジが必ず成功しているわけではなく、失敗もいろいろされているとのことでしたが、逆に言うと小さい失敗をしているからこそ、大きい成功に繋げることができているということが言えるのかもしれません。
当然、ソーシャルメディア時代においては「炎上」というリスクも大きくなっているわけで、何でもかんでも小さい規模なら実験してみても良いという話ではありません。ただ、テレビCMのように一度実施するのに何億も予算が必要とされるマス施策とは異なり、実はデジタル系やソーシャルメディア系の施策というのは、かなり小さな規模から試してみることが可能です。
ツイッターの軟式アカウント「カトキチ」の運営者として有名になった元カトキチ広報部長の末広さんは、ツイッターアカウントを開始する際に、何か問題が起こったときに責任をとって辞められるよう、いつでもポケットに辞表を入れていたという逸話で有名ですが、さすがに最近はそこまでの覚悟が必要な企業は少なくなってきているでしょう。
試してみた施策の反応についても様々なデータを通じて取得できるようになってきていますから、実はデジタル施策の方がマス施策よりも実験する際のリスクは低いという見方もできます。
上司の頭が固いから、新しいチャレンジができない、という愚痴は、実は自分がリスクを取ってチャレンジしていない、ということの裏返しかもしれない。と思って見ていただくと、また違う世界が見えてくるかもしれません。