特許庁は27日、音や動きなど新たなタイプの商標43件を認定した。小林製薬「ブルーレットおくだけ」の商品名サウンドロゴ、大正製薬「リポビタンD」の「ファイトーイッパーツ!」のキャッチフレーズの音が商標として認定された。エステーや久光製薬、東宝、ワコールなどは、動き商標も取得した。
登録された43件のうち、音は21件、動きは16件、位置は5件、ホログラムは1件だった。色彩は0件。4月1日の受付開始から10月23日までの出願総数は1039件だった。今回登録されなかった商標には、出願書類の不備や、独自性が認めづらかったりしたものもあり、特許庁は「出願企業に登録できなかった理由を伝え、改善・再出願あれば改めて査定する」という。
日本語に依存しない音や動き、色彩などの商標は、海外市場向けにローカライズ(現地化)しなくても活用できる可能性が高い。「新たなタイプの商標は国境を超えて、同じ印象を与えやすい。文字商標より企業のブランド戦略上、有利に働くのではないか」(特許庁)
商標登録には、日本を含め複数の国に同時に出願できる「国際出願」という制度がある。「音や動きも欧米では認められているため、日本国内と同時に出願できる」という。ただし、実際に登録されるかどうかは、各国の法律に従って判断される。
昨年の商標出願件数は約12万件。日本から海外へ国際出願された件数は約2000件で、外資系企業などの海外から日本への国際出願件数は約1万2000件だった。
新たなタイプの商標登録が認められた企業は以下のとおり(出願番号順、※は複数認定された企業)。
[音]
久光製薬※、味の素、小林製薬※、大幸薬品、花王、大正製薬、エステー、ライオン、エプソン販売、伊藤園、アスクル、フジッコ、第一生命保険、バンダイナムコホールディングス
[位置]
ドクターシーラボ、富士通、エドウイン、セイコーマート※
[動き]
東レ※、小林製薬、久光製薬※、エステー、富士通、菊正宗酒造、ワコール、第一生命保険※、バスクリン、三洋物産、東宝※
[ホログラム]
三井住友カード
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