フォロワーより、好きになってくれる人をどれだけ増やすか
長谷川:これから独立する人がTwitterを味方につけるには、どうしたらいいと思いますか?フォロワーがいくら多くても、仕事につなげられる人は少ないように感じます。
森もり子:フォロワーの数は関係ないと思います。大事なのは、フォロワーを増やして何をするかですよね。いま、9万人のフォロワーがいますが、AKB48の誰かがTwitterを始めたら、1日で何十万人になりますよね。フォロワーなんて、その人をわーっと見に行く人だかりのようなもので、とりあえず見ておこう、という感じなんです。そこからどれだけ好きになってくれる人を増やすか、だと思います。自分はいま、その方法が全然わからないので、いろいろなものをつくって「どうですか?」と聞いているところです。
長谷川:フォロワーは、大道芸人を囲む観衆のようなものなんですね。でも、大道芸人って、最初に人を集めるのが難しいんですよね。
森もり子:さっきも言いましたが、同じクオリティのものを一定の間隔で出し続けていれば、人は集まるんです。Webを味方につけるには、それしかないと思いますよ。
「愛される」より「嫌われない」
とおるくん:僕は、「愛される」より「嫌われない」ほうが大事だと思っています。嫌いじゃなければ、見続けてもらえるんです。だから、あまり自分の気持ちはつぶやかないようにしているんですよ。自分の気持ちを書いてしまうと人間性が出てしまい、好き嫌いが生まれてしまう。だから、誰が見てもそうとしか捉えられないような客観的なニュースを書いています。
長谷川:とおるくんは、いま大学生ですよね。卒業したらどうするんですか?僕が勤めているカヤックで、いまコピーライターを募集しているのですが、どうでしょうか?
とおるくん:うーん。興味がないわけではないですね。あと、大学生ではなくて、働いていますよ。
森もり子:コピーライターって、どういう人が向いているんですか?
長谷川:うーん…例えば、自分の手がけたものが批判されたときに、受け入れることができるニュートラルな人。自分の好みがないというか、まぁ自分の嫌いなものでも偏りなく見つめる人が向いている気がします。
森もり子:じゃあ自分も向いているかもしれません。好きなものも嫌いなものも、あまりないんです。というか、何でも面白いんですよ。「これつまんない」と言う人がいても、「でも面白いんじゃない?」って。ここだけ見ると面白くない?とか、面白くないこと含めて面白くない?みたいな。
とおるくん:僕も、嫌いなものも好きです。自分が嫌いなものにも興味があるんです。そこには絶対に、何かがあるんですよ。「うわー、嫌いだな」と思うことって、なかなかないじゃないですか。「嫌い」というのはすごいことだと思っていて。例えば、満員電車でかかとを蹴られたとしますよね。蹴った人が何事もなかったかのように処理しているのか、申し訳なさそうな顔をしているのか、という反応を見るのって楽しくないですか?かかとを蹴られても、楽しみ方があるんです。
森もり子:Twitterをはじめてから、あらゆるものをネタにしようという心意気にはなりましたね。思いついたことはiPhoneのメモやTwitterの下書きに入れています。
長谷川:みんながつまらないと思うことでも「ここから見ると面白い」という違う視点を見つけられるのは、コピーライターっぽいのかもしれないですね。Twitterをすでにやってる人にも、これから始めようと思っている人にも参考になるアドバイスをたくさんいただきました。ありがとうございました。