【ポイント1】伝わることを目的に、完璧を目指さない。
「英語はツールなのだから、完璧を目指さなくていいんです」。本プログラムで日本人コーチを務める宮澤節夫氏は言う。宮澤氏は、朝日広告社でコピーライターとしてのキャリアをスタートさせ、その後、デルフィス(当時の南北社)に転職。30代で、米国の広告黄金時代をけん引したDDBの日本オフィスでストラテジックプランニングオフィサーに就任。その後、サーチ・アンド・ サーチ・アドバタイジングやラップコリンズで代表取締役社長を務めた強者だ。
「30代の頃は、外国人から電話が来ると逃げていました」と宮澤氏は明かす。それが変わったのは、グローバルCEOからのある一言がきっかけだったという。「あなたは、外国人が仮に一生懸命日本語で話そうとしていたら、聞いてあげようと思うでしょう。それと同じで、日本人がたどたどしく英語で話しても、みんな耳を傾けてくれますよ」。この一言に背中を押され、英語を使う度胸を身に付け、外資系エージェンシーでのキャリアを築くことに成功していく。
私たちは、つい教科書で学んだ文法どおりに話そうとするあまり、話すこと自体をやめってしまったり、自分が本来伝えたかったはずの意味を捻じ曲げてしまったりする。しかしそれでは意味がないと、宮沢氏は言う。「マーケティング・コミュニケーションという人の情緒に触れる仕事をしている私たちだからこそ、通訳を介さず自分の意思や想いを、仕事相手に直接伝える意義があります」。
細かな間違いを恐れず、自分の伝えたいことを表現しようとする姿勢は、語学スキル以前の課題として、グローバルコミュニケーションに求められているのだ。
【ポイント2】文法や語彙より大事なのは「l」と「r」、「s」と「th」の発音
「日本人の英語が伝わらない大きな要因の一つが、発音です」。特に「s」と「th」、「l」と「r」の発音が混同することが多く、ネイティブが何度も聞き返す原因になっているという。
「th」は英語で非常に多く登場し、「The」「This」「Thank you」「with」など挙げればキリがない。「th」の発音は前歯の間に舌を挟み、息を漏らすように「スー」と発音する。それが前歯をくっつけた状態で発音する「s」になれば、「I think」と言いたいところが、「I sink(私は沈む)」と相手に受け取られてしまうこともある。
多く挙がる発音の鬼門が「r」と「l」だ。日本的な発音に慣れている英会話教師ならば理解できるが、ネイティブスピーカーには伝わらない。発音は無意識であることも多く、癖がひとたびつくと直すのは至難のわざだが、英単語を一つ多く覚えるよりも、発音を矯正することが、伝わる英語の近道になりそうだ。
次回のマーケティング領域に特化したサバイバル英語術【2】では「ネイティブに伝わらない!広告業界の和製英語」をお送りします。
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